【中国】冷蔵庫の国内市場が3年連続委縮、16年販売額は2%減

2017年1月15日 09:35

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記事提供元:フィスコ


*09:35JST 【中国】冷蔵庫の国内市場が3年連続委縮、16年販売額は2%減
中国の冷蔵庫市場が3年連続の不振を余儀なくされた。市場調査を手がける奥維雲網(AVC)によると、中国本土の2016年冷蔵庫小売販売は、前年比0.7%減の3462万台に落ち込んだ。小売販売額は1.8%減の964億人民元(約1兆6150億円)に低迷したという。北京商報が13日付で伝えた。

「家電下郷」(農村部への家電普及策)や「以旧換新」(旧式家電の買い替え推進策)などが相次ぎ満了した13年以降、中国の冷蔵庫マーケットは“需要の先食い”で停滞。不況に突入した14年だけで、冷蔵庫生産をメインとしていた寧波宝潔電器有限公司、寧波丹鶴電器有限公司、寧波波特蘭電器有限公司が経営破たんや再建・再編を相次ぎ宣言した。

すでに普及率が高まっていることも逆風。テレビ製品やエアコン製品と違ってスマート化の取り組みが遅れたことなども重なり、長期にわたる低迷期に突入した。16年上半期の場合、「スマート冷蔵庫」の新製品投入は14モデルのみ。小売販売額全体に占めるスマート冷蔵庫の比率は、わずか9.8%に過ぎなかったという。

半面、外需は好調が持続している。統計によると、16年1~11月の輸出台数は、前年同期比11.4%増の4072万台に拡大した。特に5月は459万台を海外出荷している。自社ブランドの海爾(ハイアール)、海信(ハイセンス)、美的(ミディア)が輸出に注力。さらにOEMメーカーの広東奥馬冰箱有限公司(Homa)が売り上げを伸ばしている。欧州向け販売に強みをもつ奥馬冰箱は、「冷蔵庫輸出で中国TOPに登り詰めた」と先ごろ宣言した。世界で4600万台を売り上げたという。

産業在線(産業オンライン)の主要家電市場報告によれば、14年の冷蔵庫内外販売は、中国全体で前年比0.6%減の7633万8000台。輸出が9.5%増の2299万2000台に上る一方、国内販売は4.4%減の5334万6000台に落ち込んだ。15年の生産は3.0%減の7317万台、内外販売は3.7%減の7319万5000台に縮小している。

【亜州IR】《SK》

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