自動車業界の合従連衡はひとまず一段落か、4大陣営から取り残された企業に注目

2017年1月1日 21:38

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記事提供元:エコノミックニュース

2016年10月12日、突然、トヨタとスズキが共同会見を開き、業務提携に向けて検討をはじめると発表した

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 2016年、自動車業界は合従連衡の1年だった燃費不正問題が発覚した三菱自動車は、日産のカルロス・ゴーン社長の極めて迅速な判断でルノー日産アライアンスの傘下に入ることになった。その代わりと言うわけではなかろうが、日産は大手部品メーカーのカルソニックの持株をすべて放出した。

独フォルクスワーゲン(VW)社との提携関係を解消したスズキは、トヨタに救済を求め、業務提携に向けた交渉を開始した。それ以前に、トヨタはグループのダイハツ工業を完全子会社化し、ダイハツを同グループのコンパクトカー開発の中軸とした。トヨタは広島に本拠を置くマツダとも提携関係を結んだ。

 このような提携によって国内自動車は大きく3陣営に分かれる。新たに誕生した巨大なトヨタ連合の販売台数は、2015年実績で単純に合計すると1555万台超。ルノー日産アライアンスもダイムラーと三菱自を加えると1160万台となり、1000万台超えが目前のVWやGMと並ぶ世界4大陣営となった。

 合従連衡の裏側にあるのが技術開発費の増大だ。トヨタの2017年3月期の研究開発費は1兆0700億円となる。日産も5600億円で、両社ともに過去最高だ。地球温暖化対策で発効した「パリ協定」を見るまでもなく二酸化炭素の削減目標は厳しさを増す。環境対策、燃費規制に対応する自動車開発費は、今後も膨らむのは間違いない。

 アメリカではカリフォルニア州で定めた「ZEV(ゼロ・エミッション車)規制」で、2018年モデルからトヨタやホンダなど日系メーカーが得意とするハイブリッド車(HV)がZEVと認定されない。ZEV規制は完全に“排気ガス排出ゼロ”で走ることが可能なクルマの一定割合販売がメーカーに義務づける。

 中国も動き始めた。中国環境保護省は、次期排ガス基準「国6」を発表している。2020年までにすべての乗用車に適用する世界水準の厳しい排ガス規制を実施することで、深刻化する大気汚染問題への対応を強化する構えだ。ここでもHVは排除される。

 これらの動くに対応する次世代環境対応車の本命は決まっていない。トヨタやホンダは、燃料電池車を環境車の本命とみて開発を急いだ。が、2016年、欧米陣営は相次いで電気自動車(EV)開発に向けて動いた。

 ディーゼルエンジン車で躓いたVWは、2020年までに1度の充電で600km以上走れるEVを発売するという。

 FCV「MIRAI」を発売したトヨタも2016年末、EV開発に向けた社内ベンチャーを立ち上げた。つまり全方位のエコカー開発力が自動車メーカーに求まられる。2016年の自動車界の合従連衡は、こうした研究開発に着いていけない中規模のスズキや三菱自が大手グループの傘下に入ったと言うこと。また、年末になってホンダがグーグルと手を結ぶというニュースも飛び込んできた

 2017年、自動車業界の合従連衡は、まだまだ続きがありそうだ。前述した4大連合に属さない、フィアット&クライスラー、プジョー・シトロエン、フォードモーター、ホンダ、現代などがどう動くのか、目が離せない。(編集担当:吉田恒)

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