福島原発の事故当時、東電社員も官邸に常駐「官邸から・」

2016年6月18日 15:01

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記事提供元:エコノミックニュース

 民進党の枝野幸男幹事長は東京電力福島第一原発事故で当時「メルトダウン(炉心溶融)」の公表が遅れた問題について、東京電力が設置した第三者委員会が16日、炉心溶融を炉心損傷と説明したのは「官邸から慎重な対応をするよう要請を受けていたと理解していたと推認される」としたことに事故当時、官邸に東電社員も常駐しており、「当時からよく『官邸』と言われたが、具体的に言っていただかないと誤解を招く」と強く反論した。

 また報告書の表現に「徹底したヒアリングを行ったが、官邸からどんな要請を受けていたのかは具体的な解明に至れなかった」などとしていることに「『誰からどう言われたのか分からないが、そういうことを言われたようだ』とは、こんな無責任な話はない」と肝心な部分を解明していないことに『無責任』と断じた。

 枝野幹事長は、当時の官邸には総理・官房長官などの政治家だけでなく、関係府省庁の職員、東京電力社員、原子力保安院など大勢のスタッフが常駐していたとし「むしろ私自身が炉心溶融を認める発言をしているのに、自分の発言にブレーキをかけるなどということはあり得ない」と正確な表現で報告することを求めた。

 第三者委員会がはやりだが、公表が遅れた責任を追及されている当事者の東京電力が設置した委員会であることが基本にあることは否めない。国が第三者委員会を設置し、今回の報告書を検証し、不明な点の解明が改めて求められそう。(編集担当:森高龍二)

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