【中国の視点】IMF:中国の失業率を疑問視、景気悪化も失業率上がらない理由

2015年7月15日 08:11

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:11JST 【中国の視点】IMF:中国の失業率を疑問視、景気悪化も失業率上がらない理由
国際通貨基金(IMF)が発表したリポートでは、中国当局が発表した失業率のデータからみると、中国経済が減速しても失業率はほぼ上昇しないと指摘。中国の景気変動が失業率に与える影響が限定的だとの結論に辿りついた。

IMFは、中国の国営企業が必要以上の従業員を抱えていることや、失業した農民工(都市に出稼ぎに行く農村部出身者)が帰郷したため、求職者にカウントされていないことが背景にあると分析した。

中国の専門家は、中国には多くの国営企業が存在しているという特別な国情があり、国営企業が人員削減の決定権を持っていないため、雇用確保の一環としてこうした非効率な雇用システムが維持されていると分析した。また、約2億7000万人の出稼ぎ労働者や農村部の就業者が失業率の統計対象外になるため、景気浮揚に結びつかない失業率が現れると指摘した。

なお、政府は2015年の成長目標を昨年の7.5%から7.0%に引き下げたが、今年3月に発表された失業率は4.05%となり、前年同期の4.1%をやや下回る程度。雇用増加数は324万人と、前年同期の344万人をやや下回る水準だ。《ZN》

関連記事