三菱自動車など、日仏共同で蓄電システムの実証プロジェクトを発表

2015年7月12日 15:12

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電動車両の使用済みリチウムイオンバッテリーを再利用した蓄電システム実証プラントの概要図(写真:三菱自動車発表資料より)

電動車両の使用済みリチウムイオンバッテリーを再利用した蓄電システム実証プラントの概要図(写真:三菱自動車発表資料より)[写真拡大]

 三菱自動車と三菱商事は10日、電動車両の使用済みリチウムイオンバッテリーを再利用した蓄電システムの実証プロジェクトを日仏の5社共同で開始することに合意したと発表した。フランスの企業3社は、フランス電力公社(以下EDF)と蓄電システムForsee Power社(以下、Forsee)、PSAプジョー・シトロエン社(以下、PSA)。

 9月をめどに、パリ郊外にあるForseeの新社屋に、実証プラントを設置する。同プロジェクトは、電力需要に応じて蓄電・発電・系統電力の運用を最適化することで、効率的なエネルギーマネジメントと経済性の検証を目的としている。その背景として、電動車両の導入が進む日本やフランスでは、使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用が求められていることがある。

 そこで、同プロジェクトは、電動車両分野において協業をしている三菱自動車とPSAの販売実績、蓄電システムの構築で実績のあるForseeの技術力、そして電力事業をグローバルに展開するEDFと三菱商事の知見を合わせ、規模感のある事業モデルの確立を狙っている。まずはフランスを中心とした欧州において、使用済みリチウムイオンバッテリーを再利用した蓄電システムの事業化を検討していくという。

 各社の役割と担当する業務は、EDFが事業モデルの検討。Forseeがプロジェクトマネジメント、システムの構築、運用、事業モデルの検討。三菱自動車とPSAが使用済みリチウムイオンバッテリーと電動車両(EV、PHEV)の提供。三菱商事がプロジェクトマネジメント、新品リチウムイオンバッテリーの提供、事業モデルの検討である。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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