【中国の視点】スペイン:次のギリシャになる公算小でも油断できない

2015年5月27日 08:14

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:14JST 【中国の視点】スペイン:次のギリシャになる公算小でも油断できない
先週末に行われたスペインの統一地方選挙で、反緊縮を掲げる新政党「ポデモス」が躍進した。同政党は首都マドリードで第1党の国民党(ラホイ首相)と1議席差で第2党に躍進したほか、カタルーニャ州の州都バルセロナでは第1党となった。

ポデモスは反緊縮のほか、最低賃金の引き上げ、黒字企業のリストラ禁止などスペイン経済を逆戻りさせる政策を掲げている。一連の動きはギリシャで政権を勝ち取った急進左派連合(SYRIZA)を連想させられる。また、今年年末から来年初めにかけて実施されるスペインの総選挙では、仮にポデモスが勝利した場合、スペインが次のギリシャになるとの懸念がやや台頭している。

一方、中国の専門家は、スペインがギリシャと同様に景気後退や高い失業率、緊縮財政の悪影響、社会保障の削減などに直面しているものの、両国の経済情勢に大きな差があると指摘した。経済危機の悪影響でギリシャの国内総生産(GDP)が25%縮小しているものの、スペインは7%の縮小にとどまった。また、ギリシャは欧州連合(EU)から計2400億ユーロの援助を受けているものの、スペインが受けた援助額は410億ユーロにとどまり、昨年はEUの支援から脱却した。

さらに、昨年10-12月期のスペインの成長率は2%に回復し、四半期ベースでは2007年以来でもっとも早いペースとなった。失業率は高止まり(現在は23.7%)しているものの、徐々に低下している。

また、スペインとギリシャは違った選挙システムを持っており、総選挙で当選をさせるには、ポデモスが二大政党のどちらかと同盟を結ぶ必要がある。そのため、ポデモスがある程度妥協しなければいけないと指摘された。

とはいえ、ポデモスが総選挙で勝ち取った場合、反緊縮が強行に実施される可能性はゼロではないため、スペイン情勢は油断できないと警告されている。《ZN》

関連記事