【中国の視点】ロシア:ギリシャの救世主になれず、EUへの対抗意識で両国が急接近

2015年4月15日 08:04

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:05JST 【中国の視点】ロシア:ギリシャの救世主になれず、EUへの対抗意識で両国が急接近
ギリシャのアレクシス・ツィプラス首相は今月上旬にロシアを訪問し、貿易やエネルギーなどでの協力強化で合意した。

ツィプラス首相は訪ロ前に、欧州連合(EU)による対ロ制裁を継続すべきではないと批判した。また、ロシアに対し、ギリシャ食品のロシアへの輸出規制を緩和するよう求めたと報じられた。(EUによるロシアへの経済制裁の対抗措置としてロシアは一部EU製品の輸入規制を強化している。)

ツィプラス首相の発言などを受け、ギリシャがロシアの力を借りてEUに対抗すると警戒されていた。ただ、EU関係者は、ロシアがEUを代替できるものではないと強調。とはいえ、破産寸前のギリシャはロシアから割安の原油を輸入することや資金援助を受けることが考えられると指摘した。

中国の専門家は、ツィプラス首相の訪ロがロシアにとって都合が良いと分析。プーチン大統領がギリシャを利用してEUをけん制する可能性が高いとみている。しかし、欧米の経済制裁を受け、ロシア自身も財政破綻のリスクにさらされていると指摘し、ギリシャの救世主にはなれないとの見方を示した。

なお、ツィプラス首相は、ギリシャがEUの構成国であり、今まで通りEUとの約束を守ると発言。また、プーチン大統領は、ギリシャがロシアに援助を求めていないことも改めて強調した。《ZN》

関連記事