【中国の視点】破綻寸前のウクライナが緊急利上げ、経済を一層窮地に追い込む

2015年3月5日 08:15

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記事提供元:フィスコ


*08:19JST 【中国の視点】破綻寸前のウクライナが緊急利上げ、経済を一層窮地に追い込む
ウクライナ中央銀行は3日、主要政策金利であるリファイナンス金利を19.5%から30%に引き上げると発表した。4日から適用。通貨グリブナの急落やインフレ高進を食い止める狙いがある。

グリブナは米ドルに対して2014年通期で約50%下落し、今年に入ってからさらに5割下落している。30%という政策金利は15年ぶりの高水準となり、これが財政破綻寸前のウクライナの経済を一層窮地に追い込むと指摘された。なお、今年のウクライナ経済成長率はマイナス5.5%、インフレ率は26%まで上昇すると予測されている。

中国の専門家は、ウクライナの外貨準備高が2014年初めの204億米ドルから年末の75億米ドルまで急速に減少したと指摘した。今年1月にさらに11億米ドル減少し、同月末時点の外貨準備高が64億米ドルまで低下したと強調。国際通貨基金(IMF)など国際機関からの緊急支援がなければ、今年6月までに底がつく可能性があるとの見方を示した。

一方、IMFなどは今年2月初めに計400億米ドルの支援を承認した。IMFだけの支援金は170億米ドルとなり、現時点までまだ実行されていない様子だ。

ウクライナのナタリー ・ジャレスコ財務相はこのほど、IMFなどからの支援を早期に取り入れるため、政府が直近2カ月で改革計画を立ててきたと説明。ただ、一段と改革を進めるには400億米ドルの支援だけでは間に合わないことにも言及した。

なお、自国通貨の暴落を受け、ウクライナ国民の金などの購入が加速しており、グリブナ建て金価格は年初の1オンスあたり2万グリブナから4万グリブナまで高騰している。《ZN》

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