スーパー売上高低迷 巨大モールよりも専門性と利便性か

2015年2月13日 23:08

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記事提供元:エコノミックニュース

日本チェーンストア協会は1月21日、2014年のスーパー売上高を発表。既存店ベースで前年比0.6%マイナスの13兆207億円となり、18年連続のマイナスとなったことが分かった。

日本チェーンストア協会は1月21日、2014年のスーパー売上高を発表。既存店ベースで前年比0.6%マイナスの13兆207億円となり、18年連続のマイナスとなったことが分かった。[写真拡大]

 日本チェーンストア協会は1月21日、2014年のスーパー売上高を発表。既存店ベースで前年比0.6%減の13兆207億円となり、18年連続のマイナスだったことが分かった。昨年4月に実施された8%の消費税増税により、小売業界は大きな影響を受けた。3月には消費税前の駆け込み需要で、前年より売り上げが伸びたが、その反動により、4月以降は不調に転落。駆け込み需要の反動と、増税による消費マインドの冷え込みは、当初2~3か月で回復するものとみられていたが、予想に反し長期化した。6月、7月には低気温や梅雨が長引くなど、天候不順の影響で、衣料品が伸び悩み、8月には前年同月比0.1%まで持ち直したが、9月以降も回復基調には繋がらなかった。

 アベノミクスによる経済政策で景気回復と給与の上昇が起これば購買意欲が喚起され、消費に勢いが戻ると期待されていたが、給与上昇は一部企業に留まり、社会全体の消費行動には繋がらなかった。その上、円安により輸入価格が上昇。原料や燃料費が上がることによって、商品の値上げに踏み切るメーカーが続出した。

 景気回復の実感が乏しく、実質賃金が低下。こうした中で、消費マインドを回復させるのは至難の技だろう。ひとまず延期された10%の消費税増税だが、「将来の負担」が「今の不安」に繋がれば、消費者の財布のひもはますます固くなる。スーパー側は、節約志向が高まる消費者の客離れが起こることをおそれ、仕入れ価格が上昇しても店頭商品の値上げに踏み切れず、負担をそのまま背負うという店も多くあったようだ。

 また、売上高減の要因には、スーパーそのものの形態が顧客のニーズに合っていないことが関係しているのではないか。近年、巨大モールでスーパー事業は近年著しい発展を見せたが、早くも衰退の影が差している。総合スーパーの象徴のような存在のイオン<8267>の14年3~11月期の連結営業利益は、493億円で前年同期比48%減。高品質なものには支出を惜しまず専門店で購入する、そういった消費者の志向の変化や、利便性の高いコンビニ、価格の安さを追求したディスカウントショップなどに売り上げを奪われているといった流れも背景にあるようだ。(編集担当:久保田雄城)

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