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ご祝儀相場のあとはドル・円の行方を見守る展開=犬丸正寛の相場展望
来週は、確実とみられる選挙での勝利から、「ご祝儀相場」が期待できる展開だろう。ただ、選挙明け後は、年内11営業日と残り少なくなることもあってご祝儀相場のあとは伸び悩みとなる可能性はありそうだ。とくに、ドル・円相場の行方が見極め難いからだ。
ドル・円相場のカギを握っているのは1バレル・60ドルを割った原油価格の行方だろう。原油価格安は世界の先進国には原材料安という点ではプラスだが、同時に金融不安を引き起こす芽も含んでいる。
原油安は産油国を直撃し収入の大幅な減少となる。しかし、今回、オペックは原油価格が大幅に下落しているにもかかわらず減産による価格維持政策は採っていない。産油国の先進国に対する挑戦と受け取ることもできるのではないか。なぜなら、先進国はシェールガスを手に入れ、今また水素による燃料電池車を本格化させようとしているからだ。中東などの産油国にとっては脱原油が進めば死活問題だ。減産をしないで価格下落を放置していることは先進国に対する牽制の意味合いが含まれているのではないか。
とくに、産油国は収入減少を理由に先進国からモノが買えないことを前面に出せば、資金繰りでたちどころに困るのはギリシャなど欧州である。この点において、欧州発の金融不安の芽を含んでいる。
シェールガスを持った強いアメリカを評価してドルを買い、ドル高・円安に進むのか。あるいは欧州経済不安はアメリカの景気にも影響するとしてドル安・円高に進むのか。この点が今後の相場のポイントとなりそうだ。
日本政府としては、「原油安が続く間は円安デメリットが緩和できるため円安に賛成ではないか。円安で大企業に大いに稼いでもらえれば来年もまた大幅な賃金アップを要請できるためアベノミクスを成功に持っていくことができる」(中堅証券)。
今後、121円を上回るような円安が進めば、引き続きトヨタ自動車などの主力輸出関連銘柄が物色の軸となって日経平均は2007年の1万8300円を目指すものとみられる。
反対に円高(ドル安)に振れるようなら、安部政権の進める、「地方の隅々までアベノミクスを実感してもらう」政策と一体となって内需関連銘柄がマーケットの中心となるだろう。 「ご祝儀相場」のあとの相場は、ドル・円の行方を見守る展開が予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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