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あのアウディ・クワトロが燃料電池を搭載して、メカニカルな4WDシステムと訣別した?
アウディがプロトタイプながら公開試乗に供したアウディA7スポーツバッグ燃料電池車は、大きなボディ(全長×全幅×全高4990×1910×1430mm)を7.9秒で時速100km/hに導く[写真拡大]
あのアウディ・クワトロが燃料電池車となって、30年以上の伝統ある、従来のメカニカルな4WDシステム「クワトロ」と訣別した。
11月19日にプレスデーとしたLAオートショーで、静かにアウディが燃料電池車(FCV)のデモンストレーションを一般公道で行っていた。車両の見た目は普通のアウディA7クワトロだが、中身はまったくの別モノだった。車名「AUDI A7 Sportback h-tron quattro」で、搭載するパワーユニットは燃料電池によるパワフルなモータードライブ。リア側にもモーターを搭載してクワトロドライブを実現しているが、前後輪のアクスルにはメカニカルなリンクは一切ない。このAUDIのFCVでは前後アクスルへのトルク配分をいわゆるアウディ伝統のメカニカルなシステムを使わずに、前後モーターへの電力供給制御によってコントロールする。
今回、デモンストレーションに供されたAUDI A7 Sportback h-tron quattroが搭載する燃料電池パワーユニットの総合出力は170kWとされる。主要な諸元などは公表されていないが、アウディA7スポーツバッグの大きなボディ(全長×全幅×全高4990×1910×1430mm)を7.9秒で時速100km/hに導く。また、最高時速は180km/hに達するという。
アウディの技術開発担当取締役のウルリッヒ ハッケンベルク氏はLAショーで、「Audi A7 Sportback h-tron quattroはスポーティな走りと低燃費を両立させた紛れもないアウディです。搭載されたe-quattroシステムは、ふたつのモーターで4輪すべてを駆動させます。今回発表したh-tronコンセプトカーをご覧頂けば、我々がすでにフューエルセル技術をマスターしていることをご理解頂けると思います。マーケットの受け入れとインフラ整備の状況が整い次第、すぐにでも市販モデルを発売出来る状態にあります」と説明した。
今回のデモンストレーションは、燃料電池車で先行する日本のトヨタ、ホンダを牽制する意味があるのは明らかだ。が、アウディも確実に燃料電池車をモノにしており、同時に、燃料電池とは別に、将来的に車種に応じてだろうが、複雑で重たいメカニカル4WDに頼らない、軽量でコンパクト、制御が容易な電子制御AWD「クワトロ」をハイブリッド車や電気自動車で使うことが見えてきたように思う。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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