クボタ、電子材料、大平洋金属など/本日の注目個別銘柄

2014年8月6日 17:01

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記事提供元:フィスコ


<9984> ソフトバンク 6972 -253売り優勢、5月23日以来の7000円割れとなっている。傘下のスプリントがTモバイルの買収協議を打ち切ったと報じられている。資金面などでの意見の相違から交渉は行き詰っていたとされている。もともと当局の承認の可能性は低いと見る向きも多かったが、経営戦略の転換が迫られるとの見方から、短期的には、今後の不透明感の強まりを警戒する動きが先行へ。

<7203> トヨタ 5989 -53伸び悩む。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は6927億円で前年同期比4.4%増、市場コンセンサスを500億円強上回る水準での着地となった。国内販売の伸び悩みを欧米販売の好調がカバーする格好に。ただ、日産<7201>やホンダ<7267>などもコンセンサスを上回る決算を発表しており、サプライズは限定的にもなっている。本日は外部環境の悪化に押される展開へ。

<6326> クボタ 1406.5 +115大幅高。前日に決算を発表、第1四半期営業利益は524億円で前年同期比11%増益となった。市場コンセンサスは420億円程度であったため、大幅に上振れる着地となっている。足元では投資判断格下げの動きなどもあったため、一段と警戒感は強まる状況でもあった。予想外の好決算を受けて、見直しの動きが一気に強まる格好になっている。なお、欧米におけるトラクタや建設機械の好調が全体をけん引、国内の低迷をカバーする状況となったようだ。

<5541> 大平洋金属 418 -80ストップ安。前日に発表した予想外の業績下方修正がネガティブサプライズとなっている。上半期営業損益は0.9億円の黒字から13.8億円の赤字に下方修正、通期でも17.1億円の黒字から14.4億円の赤字に下方修正している。原材料となるニッケル鉱石の調達において、インドネシア鉱石禁輸に伴い、ニッケル鉱石購入価格が従来よりも上昇しており、損益に影響が及んでいるようだ。年間配当金も前回予想の3円から無配に引き下げへ。みずほ証券では投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」に格下げしている。

<4651> サニックス 939 -300ストップ安比例配分。前日に発表した業績下方修正がネガティブサプライズに。上半期営業損益は36億円の黒字から一転して、12.5億円の赤字に下方修正している。電力会社における接続検討の期間の長期化に伴い、見込んでいた施工件数が下振れしているもよう。中期計画数値なども含めて業績急成長期待が高かったほか、月次を公表していた3月までの数値は急拡大傾向が続いていたため、予想外の赤字決算に失望売りが膨らむ格好へ。

<6855> 電子材料 549 +80ストップ高比例配分。前日に発表した第1四半期決算がポジティブなインパクトにつながる格好へ。営業利益は1.6億円で前年同期比4.8倍、上半期計画の1.4億円を超過する状況となっている。NAND型フラッシュメモリー向けの拡販が進んだことなどが好業績の背景に。会社側では業績予想を据え置いているが、大幅な上振れが期待される状況にも。

<7832> バンナムHD 3030 +354大幅高。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は168億円で前年同期比26%増益、市場コンセンサスを上回った事前観測報道150億円前後も上回る数値に。「妖怪ウォッチ」関連の玩具販売が想定を上回る好調で、業績拡大のけん引役になっている。「妖怪ウォッチ」関連商材の売上高は65億円、通期計画70億円をほぼ達成する格好に。上半期営業利益は200億円から250億円に上方修正へ。なお、ハピネットも連れ高する展開になっている。

<7735> スクリーン 524 +49急伸。前日に発表した第1四半期決算、業績予想の上方修正が評価材料視されている。第1四半期営業利益は22.4億円で前年同期比1%増益、上半期計画は35億円から47億円に、通期では100億円から112億円にそれぞれ上方修正へ。足元の受注好調などが業績上振れの背景に。第1四半期受注高は366億円で、ガイダンスの350億円を上回る格好となっており、第2四半期も前四半期比で増加見通しへ。

<1801> 大成建設 574 +11しっかり。前日は市場予想を下回る第1四半期決算発表後に下落したが、株価下落は過剰反応との見方から本日はリバウンドの展開に。為替の影響で海外事業が悪化したこと、子会社の不動産会社で販売戸数の減少や賃貸ビル売却の反動減があったことなどが減益決算の背景、主力の国内建設事業は土木、建築ともに堅調に推移。全般的には会社計画線上での推移のもよう。みずほ証券では、会社計画は上回る可能性が高いと指摘。

<8031> 三井物産 1643 +4決算発表後は切り返す展開に。第1四半期純利益は1278億円で前年同期比3.9%減益、通期計画3800億円に対して3分の1程度の進捗となっている。市場予想は1000億円程度とみられ上振れの格好に。ただ、鉄鉱石価格の下落傾向を背景に、今後の業績モメンタムは鈍化するといった見方も残り、評価も限定的にとどまる状況。《FA》

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