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次世代大型旅客機「ボーイング777X」の開発・量産に日本の5社が参画 ボーイング社と覚え書きに調印
2020年、東京オリンピック開催の年に就航する新型ボーイング777X。日本の航空機関連企業5社が製造に参画する。[写真拡大]
ボーイング社は「777X型」というコードネームで大型旅客機777型機の改良を進めている。特にエアバス「A350-1000」型機の対抗機種と位置づける「777-9X」(座席数400席)は、航空各社の間で大きな注目を集めている。
「777X」は、777-8X、777-9Xの両機種で構成。市場や航空会社からのあらゆるニーズに対応できるという。777-8Xの競合機は前述のとおりエアバス「A350-1000」で、777-9Xはクラスレスで現在の民間航空機にライバルは存在しないという。
777-9Xの座席数は、各エアライン機内仕様によって若干異なるが400席超。航続距離は1万5185kmで、座席当たりの運航コストは民間航空機の中で最も低い。
一方で、777-8Xの座席数は350席、航続距離は1万7220kmと極めて長く、競合機と比べて離陸性能や輸送能力が大きく上回り、高い柔軟性を持つ航空機だとされている。
新型777Xは、GEアビエーション製の「GE9Xエンジン」を搭載し、複合素材を多用した高効率新型主翼などの最新テクノロジーを多数採用する。新型主翼は、777型機の主翼よりも長い翼幅71mだが、折りたたみ式ウィングチップでクローバルな搭乗ゲートへの適応性を得た。また、長い主翼は運航における効率を高めて燃料消費量を大幅に抑制、ライバル比で12%の燃費向上を図るとしている。777Xの製造開始は2017年から、初号機のデリバリーは2020年の予定。
そして、この新鋭民間航空機の製造の基幹を担うのが、日本の航空機産業なのだ。
6月12日、一般財団法人日本航空機開発協会(JADC)と、三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社、富士重工業株式会社、新明和工業株式会社、及び日本飛行機株式会社の5社が、ボーイング社と次世代大型旅客機「777X」の開発、量産事業に参画するための主要契約条件に関する覚書に調印した。
777Xの機体構造分担については、現行777における各社担当の踏襲を基本として、三菱重工業が後部・尾部胴体及び乗降扉を担当。川崎重工業が前部・中部胴体、主脚格納部、貨物扉及び圧力隔壁。富士重工業が中央翼、中央翼・主脚格納部結合、主脚扉及び翼胴フェアリング(前部)。新明和工業が翼胴フェアリング(中・後部)。日本飛行機が主翼構成品を手掛ける。日本企業全体の製造規模は、胴体延長による機体の大型化などで、現行の777型機製造規模を上回るものとなる。
このボーイング777Xの就航で、同社の航空機の歴史が大きく変わる。恐らくだが、20世紀の「空の女王」と言われた通称ジャンボ機、ボーイング747が退役となる模様だ。2020年、東京オリンピックで来航する世界のエアラインが、新型777Xで羽田を目指す?(編集担当:吉田恒)
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