翻訳センター<2483>政府主導によるグローバル化推進の流れが追い風

2014年4月4日 10:39

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記事提供元:フィスコ


*10:39JST 翻訳センター<2483>政府主導によるグローバル化推進の流れが追い風
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』4月3日放送において、翻訳センター<2483>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
大阪、東京、名古屋と三大都市に拠点のある日本最大規模の翻訳サービス会社で、翻訳業界で唯一の上場企業である。特許分野、医薬分野、工業・IT分野、金融関連分野など、企業向けの専門に特化した翻訳を得意とする。翻訳言語は、主力の英語に限らず、中国語など70言語以上にわたる。メディカルライティング業務、翻訳者・通訳者派遣、ゲーム翻訳・マンガ翻訳なども手掛ける。

■足元の業績
第3四半期累計(2013年4-12月期)業績は、売上高が前年同期比25.5%増の64.81億円、営業利益が同2.8%増の2.59億円、経常利益が同1.3%増の2.57億円、純利益が同2.2%増の1.14億円と増収増益で着地した。
売上高については、医薬・金融分野を中心に主力の翻訳事業が堅調に推移したことに加えて、2012年9月に連結対象としたISSグループの業績が好調であったことから、増収となった。利益面においては、増収効果はあったものの、翻訳事業での人員増の影響をやや受けた格好。
第3四半期までの業績進捗状況を踏まえて、決算発表と同時に通期業績予想を見直した。新しい通期予想は、売上高が前期比20.8%増の87.80億円、営業利益が同5.4%減の4.00億円、経常利益が同5.4%減の4.00億円、純利益が同13.7%減の1.90億円としている。

■主なセグメント業績については
■翻訳事業
翻訳事業の売上高は前年同期比4.9%増の44.69億円。特許分野では、企業の知的財産関連部署における取引拡大と新規顧客開拓が奏功したものの、既存顧客である特許事務所からの電気関連出願用明細書の受注が想定より下回った。
医薬分野では、プリファードベンダー契約(企業が優秀な人的リソースの確保と費用低減を狙い、優先的に業務を委託する特定の調達先)に基づく受注が継続的に拡大。新たなメガファーマとのプリファードベンダー契約の獲得や製薬会社からの新薬申請資料の受注が好調に推移した。
工業分野では、ウェブサイト関連の大型プロジェクト案件や情報通信関連企業からの定期案件の獲得。金融分野では、前期より注力している企業の管理関連部署への営業活動が奏功したほか、保険会社や金融情報サービス企業からのスポット案件獲得や外資系金融機関からの受注が増加。

■派遣事業
派遣事業の売上高は前年同期比102.0%増の10.05億円。各種金融機関や情報通信関連企業、外資食品・飲食関連企業への通訳者・翻訳者派遣などが好調。

■通訳事業
通訳事業の売上高は前年同期比183.7%増の4.38億円。大手の通信関連企業や外資食品・飲食関連企業、製薬企業からの受注が増加。

■語学教育事業
語学教育事業の売上高は前年同期比165.6%増の1.64億円。アイ・エス・エス・インスティテュートの通訳者・翻訳者育成のレギュラーコース(春期コースおよび秋期コース)にて計画を上回る受講申込を確保。

その他のセグメントについては、6月に横浜で開催された「第5回アフリカ開発会議」の全体運営、および、11月に札幌で開催された「日中韓特許庁長官会合」の全体運営を担当するなど、アイ・エス・エスの国際会議企画・運営事業の売上が大きく寄与している。

■事業環境
日本経済を活性化し、国際競争力を高めていくためには、国内の人材を最大限に活用するだけでなく、多様な価値観や経験、ノウハウ、技術をもった海外の優秀な人材を積極的に受け入れ、新たなイノベーションを生み出していくことが重要。
政府・与党は人手不足が深刻な建設業で、外国人労働者の受け入れを拡大する方向で最終調整に入っている。自民党は人手不足の業界全般に外国人労働者の活用を促す提言をまとめた。
クールジャパン政策のほか、国家戦略特区による再生医療・先端医薬などの医療拠点によって海外の医薬品メーカーなども誘致する流れが見込まれる。
東京五輪開催に向けたグローバル化推進のなか、国際会議の開催といったイベントの需要なども期待される。

■株価動向
昨年9月の東京五輪招致決定をキッカケに、3200円辺りで推移していた株価は、9月17日には7800円まで急伸している。その後は需給調整が続いており、足元では急伸前の水準まで下げている。高値期日が通過していることもあり、仕切り直しを意識した水準とみられる。
足元では3月27日安値3140円をボトムに緩やかなリバウンドをみせており、上値抵抗として意識されている25日線をクリア。昨年末以来となる5日線との短期ゴールデンクロスも近づいており、目先はリバウンドを試す展開に。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送《TM》

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