【鈴木雅光の投信Now】再び5000本に乗せた国内投資信託

2014年3月20日 12:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  国内で設定・運用されている投資信託の本数をご存じだろうか。2月末時点で5013本だ。これが多いのか、それとも少ないのかという点については、過去の時系列の数字を遡れば分かる。

  1989年1月からの25年間で見ると、最も本数が多かったのは1995年8月の6457本だ。そこから見れば、確かに投資信託の本数は減少している。

  が、実は一時期、投資信託の本数は、さらに大幅に減少した時期があった。2004年7月時点の本数は、何と2525本だ。実に60%も減少したのである。そこから見れば、投資信託の本数は再び増加傾向をたどっていることになる。これは、歓迎すべきことなのだろうか。

  確かに、投資信託の本数が増えれば、投資家にとって選択の幅が広がる。上手に投資信託を選ぶことができれば、それはメリットになるかも知れない。が、それ以上に、投資信託の本数が増えることで、投資家が被るデメリットの方が大きくなると思う。

  第一に運用サイドの問題。そもそも95年8月をピークに投資信託の本数が減少した理由のひとつは、ファンドマネジャーが管理しているファンドの本数を減らそうという意見が業界内に広まったからだ。1人のファンドマネジャーが10数本ものファンドを管理すれば、どうしても目が行き届かなくなり、ずさんな運用が行われる恐れがある。

  第二は販売サイドの問題で、販売手数料稼ぎを目的にした営業をしやすくするために、ファンドの本数が増えているとも考えられる。目先、多少変わった商品性を打ち出したファンドを新規設定すれば、募集でお金が集めやすくなる。既存のファンドからの乗り換えも促せるというわけだ。

  しかし、乗り換えさせられる投資家の側からすれば、手数料が取られる分だけコスト負担を強いられるし、既存のファンドは資金流出に追い立てられ、やがて運用難に陥ってしまう。

  国内の投資信託の本数が5000本に乗せたのは、実に16年ぶりのことだが、決して喜ばしい話ではない。投資家にとってのメリットは皆無といっても良いだろう。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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