薄商いだが3月相場入りで強調場面、好利回りで春向きテーマ銘柄に狙いを=犬丸正寛の相場展望

2014年2月28日 16:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週は3月相場入りである。3月は年度末の月ということで上値には法人等の売りが予想され、一方で下値には配当取りの買いが予想されることから日経平均で見れば、「戻り高値圏」での強調展開が予想されそうだ。

  先ず、NYダウは昨年暮れからの下げに対する3分の2戻し(1万6172ドル)を達成し、2月24日には1万6300ドル(いずれも場中値)まで上伸した。その後は高値圏での小幅の往来となっている。イエレンFRB議長が、足元の雇用情勢足踏み状態に対し、寒波によるもので景気自体が悪化しているわけではないとの見解を明らかとしたことでマーケットに安心感が台頭しているという。このため、来週末には米・2月分雇用統計が発表となるが、仮に悪くてもNYダウが大きく下げることはなさそうだ。むしろ、「春を待つ気分」が高まり、NYダウは昨年末の高値1万6588ドルに挑戦する可能性もありそうだ。ただ、中国・上海総合指数が今年1月20日の1991ポイントに接近する展開となっており動向には注意が必要だ。

  NYダウが昨年暮れの高値に挑戦となれば、日経平均も下げ幅の半値戻し(1万5157円)を抜いて、さらに上値を試すものとみられる。ただ、売買代金の少ない状態が続いていることから、「NYダウまかせの展開で、日本独自の相場展開は難しい」(中堅証券)状況といえる。

  NYダウが高いなら日経平均に寄与度の高い銘柄が買われ、上値が重くなれば中小型の材料株を物色するという目まぐるしい展開が予想されそうだ。

  こうした中で4月からの消費税引上げの影響を和らげるための経済対策関連を物色する動きも予想される。有力候補としては、「これまでの日本になかったものということで新鮮味のあるカジノ関連が最有力候補だろう」(同)との見方となっている。このほか、オリンピック関連、観光関連、リニア関連などの春向きのテーマが注目されそうだ。3月の好配当利回りでテーマに沿う銘柄の中期投資狙いがよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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