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ファーストリテイリングが過去最高益 海外ユニクロ好調も株価不振が続くワケ
衣料品チェーン「ユニクロ」などを経営するファーストリテイリングが9日、2013年9-11月期の連結決算を発表した。純利益は前年同期比8.8%増の418億円、売上高は同22%増の3890億円、営業利益は同13%増の640億円だった。
売上高、各利益とも9-11月期としては過去最高。海外ユニクロ事業の売上高が同77%増の1140億円と好調だったことが寄与した。国内事業も10月、11ヶ月ぶりに客単価が増加した。
14年8月期通期の見通しについては、営業利益や純利益はそれぞれ920億円、1560億円のまま据え置いた。売上高は内部取引を二重に計上していたとして、1兆3300億円から1兆3220億円に下方修正した。
同社はあわせて、ジューシー・クチュールの元社長リアン・ニールズ氏をユニクロのチーフクリエイティブオフィサーに採用するなど、外国人執行役員4人の人事を発表。岡崎CFO(最高財務責任者)は、海外市場での彼らの知識と経験を買ったと述べ、各地域の実情に合わせた迅速な決断をしていくことを示した。
【アジア事業に続き、今後アメリカ事業も利益に転じる可能性】
ユニクロは「2020年までに世界で1位になる」という野心的な目標を掲げており、世界中で年間200~300店舗を目標として海外に出店する予定だ。昨年9月には上海に世界最大の旗艦店をオープン、2014年春にはオーストラリアとドイツに出店するとしている。9-11期には海外に新しく66店舗を出店、11月末時点で海外に512店舗を持ち、国内の856店舗に迫る勢いだ。
同社はアジアの中間所得層数は長期でふえると見込み、人口が減少する国内市場の限界を補うことを期待し、特にアジアに急速に進出しているとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。
一方、既存のニューヨーク3店舗は2けた増収。アメリカ事業が次の事業年度において、立ち上げ費用による多額損失から利益に転じる可能性があると同紙は報じた。
【最近の株価不振は業績の問題ではない】
同社の株価は10日の取引で一時前日比4.5%上げ、2週間ぶりの上昇率となった。株価は昨年99%上昇したが、9日までに8.3%下落していた。
「投資家は、海外事業が国内事業の減速をどれだけ埋め合わせるかに注目している」という、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員のコメントをブルームバーグは掲載した。
また、初の海外進出から10年以上たち世界の認知度は上がったが、国内販売がまだ売上高の3分の2を占めている。これが最近の株価不振が続く1つの理由だとフィナンシャル・タイムズ紙は報じた。同紙は、消費税増税が日本のGDPの61%を占める家計消費を打撃するリスクを指摘。また、安倍首相の思惑どおりに今年賃金が上がる可能性は低いと報じた。そのため、ほとんどの投資家は同社に隠された価値を見出さないだろうと報じた。
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