【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業の出直り本格化、25日線突破後の上げ強い

2013年11月26日 09:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業 <4548> の株価は、調整が一巡して強基調に転換した形だ。今期(14年3月期)好業績を評価して4月高値を試すだろう。

  国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、単回投与の米国向け関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は高齢者人口増加などで拡大基調である。

  研究開発は専門分野である糖質科学に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603、アルツの適応症追加SI-657、変形性膝関節症改善剤SI-613、ドライアイ治療剤SI-614、関節リウマチ治療剤SI-615などがある。SI-6603は13年8月に日本の第III相試験で良好な結果を得たため、14年3月期中に日本での承認申請を見込んでいる。

  11月6日発表の今期第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は前年同期比16.4%増収、同2.6倍営業増益、同2.1倍経常増益、同2.5倍最終増益だった。売上面では米国向けジェル・ワンなど海外医薬品の販売数量増加と円安メリットが寄与した。利益面では営業外で受取ロイヤリティーが一巡し、特別損失で事業構造改善費用を計上したが、増収効果に加えて、販管費でのジェル・ワン訴訟費用の減少、営業外での保有外貨建て資産の評価に係る為替差益、特別利益での投資有価証券売却益なども寄与して、計画を上回る大幅増益だった。

  通期の見通しは11月6日に増額修正した。売上高は3億円増額して前期比13.4%増の302億円、営業利益は2億50百万円増額して同53.5%増の48億円、経常利益は5億円増額して同27.8%増の55億円、純利益は4億円増額して同36.6%増の44億50百万円とした。国内医薬品が伸び悩み、ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が計画より早まったが、海外医薬品の出荷増と円安メリット、販管費の減少、保有外貨建て資産の評価に係る為替差益などが寄与する。

  なお、12年8月に当社が勝訴したジェル・ワンの特許侵害訴訟に対して、13年10月にジェンザイム社から連邦巡回区控訴裁判所に控訴の提起があったが、適切な法的手続きを講じ、本控訴提起に伴うジェル・ワン販売への影響はないと想定している。

  また第3四半期(10月~12月)以降の想定為替レートは1米ドル=97円(従来計画は通期1米ドル=95円)に修正した。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.0%、営業利益が72.7%、経常利益が68.8%、純利益が70.1%と高水準である。為替は想定より円安方向に傾いており、償却負担増の影響を考慮しても通期再増額の可能性があるだろう。

  株価の動きを見ると、戻り高値圏1400円近辺から徐々に水準を切り下げて、10月8日に1241円、そして10月25日に1235円まで調整する場面があった。利益確定売りが優勢になったようだが、足元では1300円台を回復して調整一巡感を強めている。

  11月25日の終値1328円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.2倍近辺である。日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を突破して上伸し、週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を突破した。調整が一巡して強基調に転換した形だ。好業績を評価して4月高値1436円を試すだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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