ヤフー、インプレス、高島屋など/本日の注目個別銘柄

2013年10月10日 15:58

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記事提供元:フィスコ


<4689> ヤフー 515 0下げ止まる。EC事業の新料金体系発表を受けて、短期的な収益悪化懸念から2日間での下落率は一時14%にまで達していた。突っ込み警戒感が強まる中、前日には通販サイトへの出店希望数が1日で約2万6千件に上ったと発表、反発のきっかけ材料につながっている。売り手の拡大に伴う「商品の品揃え」拡充といった流れを、評価する動きも強まりつつあるようだ。

<3715> ドワンゴ 1940 +271急伸。特に目立った材料は観測されないが、本日は医薬品や情報通信などディフェンシブ系の出遅れ銘柄でリバウンドが目立つものが多くなっている。また、みずほ証券では中小型株マンスリーにおいて、注目銘柄の一つとして取り上げている。ニコニコ生放送等よる社会基盤としての性格の強まり、スマートデバイスの普及による視聴機会の拡がりで、「niconico」の商業的価値が高まっていく可能性としている。

<4574> 大幸薬品 1665 +66大幅続伸、直近高値を更新して5月29日以来の高値水準に。前日に上半期の業績上方修正を発表したことが買い材料に。営業利益は従来予想の11億円から14.2億円、前年同期比2.6倍にまで増額している。感染管理事業の上振れが上方修正の主因、季節性インフルエンザ等の感染症に備える小売店からの受注が例年よりも早まってきているようだ。上半期見通しは8月19日に公表したばかりであり、短期間での大幅上方修正にはモメンタムの強さが認識される格好へ。

<6217> 津田駒 158 -18下落率2位。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業損益は6.9億円の赤字となり、通期では従来の6億円の黒字から4億円の赤字に下方修正している。6-8月期も黒字は計上しているが、前半の落ち込みはカバーできずに通期では赤字継続へ。受注拡大などによる収益急回復期待も残っていただけに、失望感が強まる状況となっている。

<4745> 東京個別 229 +15急伸。前日に上半期の決算を発表、通期予想を上方修正しており、評価材料につながる格好へ。通期営業利益は従来予想の9億円から11.8億円に増額修正している。新規入会者数の大幅な増加、夏期講習会の好調などが背景に。さらに、当初計画を1年前倒しで達成するための中期経営計画を発表したことも評価材料に。

<6963> ローム 3965 -175売り優勢。前日に上半期業績予想の上方修正を発表しているが、短期的な出尽くし感にもつながっているようだ。上半期の営業利益は94億円から100億円に、経常利益は71億円から165億円に増額している。自動車関連やスマホ、タブレット市場向けなどが堅調推移したほか、円安推移に伴う為替差益の計上も経常益の押し上げ要因に。ただ、第1四半期の時点で経常利益は81.1億円を計上していたため、大幅な上方修正は想定線との見方。いったんは出尽くし感が先行する流れとみられる。

<9793> ダイセキ 2027 +141大幅高、5月8日の年初来高値を一気に更新へ。前日に発表した上半期決算を評価、営業利益は前年同期比26.3%増益の36.4億円、先の上方修正値を上回る水準での着地となっている。コアの産業廃棄物処理事業の回復・拡大、土壌汚染浄化などの子会社事業の拡大加速、コンセンサス超過の利益拡大などを評価して、メリルリンチ(ML)では目標株価2100円で「買い」を継続している。

<9479> インプレス 143 +13急伸。本日、ノーベル文学賞の受賞者が発表予定となっている。村上春樹氏なども有力候補として取り沙汰されているもよう。日本人が受賞した場合は、関連銘柄が幅広く物色されるとの見方から、出版ビジネスを手掛けている同社などにも思惑が先行。株価水準の値頃感の強さ、値幅取り妙味の高まりやすさなども手掛かりに。なお、チタン工<4098>、テイカ<4027>などのノーベル賞関連は、関連分野での日本人受賞者がなく、本日下げがきつい展開に。

<8233> 高島屋 880 +24上げ幅広げる。後場に入って上半期の決算を発表している。営業利益は111.5億円で前年同期比10.2%増、従来計画の102億円を上振れた。通期予想も280億円から290億円に上方修正している。第1四半期は同3.6%増益であったため、6-8月期は増益率が高まる状況となっている。国内百貨店が上振れたほか、シンガポール子会社も順調に推移する格好へ。

<9831> ヤマダ電機 264 -4さえない。メリルリンチ(ML)では投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」まで一気に2段階格下げ、目標株価は550円から260円に引き下げへ。エコポイントや地デジ反動などからの回復が近いと想定していたが、ネット小売業からのマージン圧力という構造要因も見え出し、中期的に収益性の大幅な改善は見込み難いとの見方に変更している。来年4月以降は、消費増税前の駆け込み需要の反動、ネット小売業との競争のさらなる激化を想定せざるを得ないと。

<9983> ファーストリテ 34550 -150上値重い展開。本日決算発表を控えており、第3四半期の決算発表後に売られた経緯から、警戒感も先行する格好と見られる。既存店売上高は順調推移ながら、単価下落などによる粗利益率の低下が警戒される状況に。通期営業利益は前期比16.6%増の1475億円を計画、市場予想は1430-1440億円となっている。《FA》

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