為替週間見通し:シリアへの軍事介入と中国の景況感を見極める展開

2013年9月7日 15:33

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記事提供元:フィスコ


*15:33JST 為替週間見通し:シリアへの軍事介入と中国の景況感を見極める展開
■ドル・円強含み、2020年東京オリンピック期待と米国8月雇用統計改善予想

ドル・円は強含み、98円28銭から100円23銭まで堅調に推移した。ドル・円上昇の背景としては、消費増税が予定通り2014年4月に引き上げられる見通しが高まったこと、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が外国株投資に前向きな姿勢を見せたこと、2020年夏季オリンピック開催都市が東京となる可能性が高まったこと、米国8月の雇用統計が改善する見通しが高まったこと、日本の4-6月期国内総生産(GDP)改定値が前期比年率+3.9%へ上方修正される見通しが高まったこと。

しかし、米国8月の失業率は7.3%で7月の7.4%から低下したものの、非農業部門雇用者数は8月が前月比+16.9万人で予想(+18.0万人)を下回り、7月も速報値の+16.2万人から+10.4万人へ下方修正され、6月も+18.8万人から+17.2万人へ下方修正されたことで、上げ渋る展開となった。

取引レンジは、98円28銭から100円23銭となった。

■シリアへの軍事介入を見極める展開

今後のドル・円は、日本の4-6月期の国内総生産(GDP)改定値、米国議会でのシリア軍事介入への承認、中国の景況感(小売売上高、鉱工業生産)、などを見極める展開となる。オバマ米政権によるシリアへの軍事介入が実施された場合、化学兵器関連施設に対する限定的、短期的な攻撃で終わった場合は相場への影響は限定的だが、イスラエルやイランを巻き込んだ長期的、拡散的な紛争となった場合はリスク回避の株売り、円買い圧力が強まることになる。

■日本の4-6月期国内総生産(GDP)改定値(9日)

日本の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.6%から前期比年率+3.9%へ上方修正されると予想されている。予想通り上方修正された場合、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)による景気回復が裏づけられることで、消費増税が予定通りに実施される可能性が高まることで、安倍トレード(日本株買い・円売り)に拍車がかかる可能性が高まる。

■シリア軍事介入(9日)

オバマ米大統領は、「戦争権限法」に基づき、シリアへの軍事介入の承認を米国議会に要請した。米国共和党は、連邦政府債務上限引き上げや歳出削減との兼ね合いで、承認する可能性が高まっているものの、否決された場合のリスクシナリオにも要警戒となる。イラン政府は、アメリカがシリアへ軍事介入した場合、報復攻撃を行うことを警告しており、紛争が長期化、泥沼化する可能性にも要注意か。

■次期米国連邦準備理事会(FRB)議長人事

バーナンキFRB議長は2014年1月末の任期満了で退任を示唆していることで、次期FRB議長候補として、ハト派のイエレンFRB副議長か、タカ派のサマーズ元米財務長官か、オバマ米大統領の決断を待つ展開となっている。ハト派のイエレンFRB副議長ならば、バーナンキFRB議長の量的緩和の継続が予想されることで、出口戦略への道筋を見極める展開となる。タカ派のサマーズ元米財務長官ならば、量的緩和策へ批判的なことから、出口戦略の前倒しが予想される。

主な発表予定は、11日(水):(日)8月国内企業物価指数、(米)7月卸売在庫、13日(金):(米)8月生産者物価指数


[予想レンジ]
ドル・円97円00銭-102円00銭《FA》

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