振り上げた拳の落とし所を探り始めたオバマ大統領

2013年9月2日 08:04

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記事提供元:フィスコ


*08:04JST 振り上げた拳の落とし所を探り始めたオバマ大統領
オバマ米大統領は昨日、初めてシリアへの軍事介入について「行動すべきと決断した」と表明したが、同時に米議会の承認を求めると述べた。 軍事介入を行うのに議会の承認は必ずしも要しないにもかかわらず、ここにきて議会の承認を条件としたのは完全に一歩後退だ。同盟国である英国が議会承認を得られず軍事介入を断念した影響のほか、米国内でも軍事介入に反対する世論が強くなっていることに配慮したものだ。後に中東情勢の泥沼化などで責任を問われる時がきた場合でも責任の分散をはかることができるという保身でもある。 今後米国内で反対論が強まれば、英国のように「国民の声を代弁する議会の承認が得られなかったため軍事介入を断念した」という線で振り上げた拳を下ろすシナリオもありということになってきた。これなら大統領自身が日和ったということには一応ならないという寸法だ。 いずれにせよ、シリア攻撃は実施されるにしても米議会が再開する9日以降に先送りされたこととなり、市場も「休戦」状態となりそうだ。 既に軍事介入を行うにはタイミングを失した可能性も高い。これだけ日数が経過してくると、米国が空爆の標的とするシリアの軍事施設はもぬけの殻で、施設には反体制派の捕虜しかいなかったという事態になりかねない。そうなれば、米国は反体制派の人々を空爆で虐殺したと非難されよう。イランがイスラエルへの報復を示唆しており、中東が大混乱に陥るリスクからも、実際に軍事介入に移るハードルは高い。《YU》

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