MEMSの研究開発トレンドと最前線(5)

2013年8月14日 15:47

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記事提供元:フィスコ


*15:47JST MEMSの研究開発トレンドと最前線(5)

5.自動車関連メーカの参入状況

MEMSは実社会において利用されて初めて価値があるものである。その意味では民間企業が研究開発にどのようにかかわっているかも重要な視点であると考えられる。そこで自動車産業に関連する企業の研究開発への関与という視点から、日本、ドイツ、米国の主要な自動車関連メーカの学術文献レベルでの参入状況を比較した。Table1に日独米の対象企業を、またFig.4に国別の研究位置を示す。


自動車関連企業におけるMEMS研究に関しては、ドイツメーカからの論文がとくに多くなっている。また研究領域も広く、基礎的な領域ではウェハボンディングに多い。応用としてはスイッチ、共振器、加速度計などのほか、センサー応用などもある。

ドイツメーカに比較すると、日米の自動車関連メーカからの論文発表件数は少ない。日本メーカに関しては研究領域としてはジャイロスコープ応用に比較的集中が見られる。それ以外では燃料電池や触覚センサなども研究されている。米国に関してはセンサー関連での研究が見られる。

収集した自動車関連メーカ中、とくに論文数が多いいのがボッシュである。ボッシュは2010年時点でMEMS売上の上位3社に入っており、その動向が注目される。2010年前とそれ以降でのボッシュの研究領域の変化をFig.5に示す。

MEMS関連研究領域の変化を見ると、2010年まではウェハボンディングや機械特性などの基礎的な研究、ならびにスイッチや共振器、加速度計などに研究が見られる。2010年以降になると、ポーラスシリコン製造などの基礎的研究に加え、応力センサ、皮質内マイクロプローブアレイ、農業ロボット用センサなど、応用研究が多くなり、かつ自動車応用とは直接結びつきにくい研究領域まで広がりを見せている。研究は単独で行われている場合もあるが、例えばKarlsruhe大(独)、Stanford大(米)、IMEC(ベルギー)など、様々な国の公的機関との共同研究を行っており、これを源泉として広範なMEMS研究が進められている。すでにMEMS市場において存在感を示すボッシュであるが、多様な研究テーマと産学連携によるボッシュのMEMS開発に対する基礎体力は侮れないものがある。

クラスター解析を活用した技術開発動向分析
【執筆】株式会社 創知《FA》

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