三菱重工、東南アジアのごみ焼却施設市場開拓へ シンガポールに営業拠点開設

2013年7月29日 14:17

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世界最大級の処理能力を有するシンガポール/チュアス サウス(Tuas South)ごみ焼却プラント(写真:三菱重工業)

世界最大級の処理能力を有するシンガポール/チュアス サウス(Tuas South)ごみ焼却プラント(写真:三菱重工業)[写真拡大]

 三菱重工業は29日、同社のグループ会社である三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)が8月1日付でシンガポールに営業拠点を開設すると発表した。東南アジアで相次ぐごみ焼却施設整備計画の需要を開拓し、グローバル展開を加速するのが狙い。三菱重工が同地域内各国・各都市に構える現地拠点と連携することにより、情報収集や現地協業交渉などを優位に展開し、東南アジアを中国など東アジアに次ぐ重点市場に育てていく。

 営業拠点は三菱重工100%出資のシンガポール法人Mitsubishi Heavy Industries Engineering & Services Private Ltd.(MIES)の事業部門「環境設備ビジネスユニット」として開設する。当面はMHIECが駐在員1人を派遣する。

 三菱重工のアジア・パシフィック地域拠点を統括する三菱重工アジア・パシフィック総代表室(MHI-AP)とも連携し、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域を中心に、全般的な市場・営業情報やごみ焼却施設整備動向の収集、現地企業との協業交渉など、案件の発掘や獲得に向けた各種の活動に取り組む。このため、MIES、MHI-APのほか、三菱重工の現地法人や事務所の支援により情報ネットワークを整備。現地のごみ焼却施設整備計画で重要な立場を占める関係先との接点づくりなどを進め、地域内でのさらなる認知向上や信頼醸成をはかる。

 MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外にわたる豊富なごみ処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく、建設から運営までの総合的ソリューション提案力を強みとしている。シンガポールでは、2000年に完成した1日当たり4,320トンという世界最大級の処理能力を持つごみ焼却施設をはじめ3件を受注するなど、東南アジアでは業界最多の納入実績を誇っており、地元からも高い評価を得ている。

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