米金融政策を占う雇用統計、新興国の金融政策に重要な変化

2013年7月5日 09:47

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記事提供元:フィスコ


*09:47JST 米金融政策を占う雇用統計、新興国の金融政策に重要な変化
米労働省は日本時間きょう午後9時30分、世界中の注目を集めている6月の雇用統計を発表します。

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は先月19日、量的緩和第3弾(QE3)を今年後半から縮小し始め、来年半ばまでに終了させる可能性を示唆しました。労働市場の継続的な改善や失業率の7%台に向けた低下などがQE3緩和の条件で、今晩の雇用統計が良ければ緩和縮小懸念が高まり、悪ければ緩和期待が強まる一方で米国景気への不安が強まるという市場反応になりそうです。

さて、バーナンキ議長の発言は新興国市場にも重要な影響を与えています。特に際立つのが、QE3縮小観測が新興各国・地域の金融政策に大きな変化をもたらしていること。メキシコやインド、韓国ではこれまで強まっていた利下げ期待が一気に後退。ポーランドでは、中央銀行が3日に「利下げサイクルの終えん」を宣言しました。

米緩和縮小観測で外国人が新興国から資本引き揚げを加速させる中、新興国通貨の急落が輸入インフレ懸念を招いており、これが金融緩和余地を小さくさせているという構図です。中国の成長ペース減速もあって新興国全体が景気低迷にあえいでおり、金融政策による景気テコ入れが難しくなっています。《RS》

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