川崎重工、シンプレクスなど／本日の注目個別銘柄

<7012> 川崎重工 319 +13買い優勢。三井造船<7003>との経営統合交渉の打ち切りを発表している。同時に、臨時取締役会を開催して、長谷川社長の解任も発表している。造船業界の再編の必要性は指摘されているものの、統合比率などディスプレミアムへの警戒感もあっただけに、プラス材料として捉える動きが先行のもよう。突然の社長交代に関しても、メリルリンチ(ＭＬ)では、グローバル成長事業出身者が主流派になるため、想定外の構造改革などが進む可能性もあるとみているもよう。なお、三井造船は小幅な上昇にとどまっている。

<3632> グリー 881 -58さえない。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価も1400円から1000円に引き下げている。国内推定コイン消費額の底入れが遅れており、新タイトル投入は増えるものの、大底の時期は未だ見極めにくいと指摘。大胆な固定費削減策なしに来期の営業増益を描きにくくなったこと、大胆な株主還元も期待しにくくなったことなどもマイナス視。

<9509> 北海道電力 1217 +42しっかり。本日は電力株が全面高の展開に。シティではセクター判断を「やや弱気」から「やや強気」に引き上げ、値上げ進展や原発再稼働、自民党政権の後押しの可能性など、好材料の蓋然性は高まりつつあるとの指摘。個別では5社の投資判断を格上げ、とりわけ、泊3号機の1年以内の稼働を見込む同社は買い推奨にまで格上げ、東北電力<9506>と並ぶ最上級評価としている。

<9076> セイノーＨＤ 759 +42買い優勢。バークレイズでは投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も740円から1000円に引き上げている。物流、自動車販売ともにトップラインが堅調なこと、子会社における収益改善への取組み、保有不動産の有効活用期待などを評価しているようだ。福山通運<9075>との提携拡大も、運賃交渉や共同配送などの面でメリットを期待と。

<6274> 新川 757 +30しっかり。三菱ＵＦＪでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価を500円から910円に引き上げている。生産、営業、開発体制の強化も進め、事業体質は着実に改善しているとして評価を高めているようだ。タイ工場操業開始に伴う原価低減、円安による価格競争力の回復で業績予想を上方修正。来期は2008.3期以来の営業黒字を予想としている。

<3770> ザッパラス 68300 -8800大幅安。前日には前4月期の決算を発表している。営業利益は14.2億円で前期比45％減益、第3四半期決算時に下方修正した水準での着地となっている。今期も10億円で同30％減益の見通し、四季報予想25億円などの水準は大きく下回る格好になっている。また、今期の年間配当金は2200円を計画、前期の4200円からは大幅な減配となる格好に。高利回り銘柄として位置づけられていただけに、大幅な減配にはネガティブな見方も強まりやすい。

<4340> シンプレクス 38050 +7000ストップ高比例配分。ＭＢＯを実施、株式を非公開化して成功報酬型のＦＸ取引システムなどを強化する方針としている。カーライルグループ系ファンドなどが出資するＣＳＫＨＤ<9737>がＴＯＢを実施、ＴＯＢ価格45000円に鞘寄せする展開に。前日終値との比較では45％のプレミアムとなる形。

<1514> 住石ＨＤ 136 +19急伸。本日発売されている新四季報では、復配の可能性が指摘されており、材料視される展開と観測される。今期は豪炭鉱の過去分配当金約30億円が特別利益として計上される可能性。つれて、年間配当金は0-5円と予想しているようだ。10年以上の無配銘柄であり、インパクト期待なども高まる形に。

<3657> ポールトゥウィン 2540 +174強い動き。前日には岩井コスモが投資判断を「Ｂ＋」から「Ａ」に格上げ、目標株価を3500円としている。複雑なゲーム開発が増えていることが追い風になっているほか、国内外での買収効果も想定以上であり、今期業績は会社計画を上回るとみているようだ。通期営業利益は会社計画18.4億円に対して、岩井コスモでは24億円を予想している。

<8801> 三井不動産 2747 +137上げ目立つ。本日は不動産セクターが業種別上昇率のトップになっている。不動産セクターは日銀の「ゼロ回答」で当面の悪材料も出尽くし感、今後は賃料上昇期待などを反映していく動きとの見方に。また、オリンピックの東京招致などに対する期待感も再燃か。ＪＰモルガンでは同社を不動産セクターのトップピックと位置づけ、今後5年のパイプラインが揃い、大手の中では収益モメンタムが最も強いと。《FA》