JFEエンジ、短期間で完成可能な「ハイブリッド防潮堤」を開発 岩手県で初採用

2013年5月7日 13:36

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ハイブリッド防潮堤の概要図(画像:JFEエンジニアリング)

ハイブリッド防潮堤の概要図(画像:JFEエンジニアリング)[写真拡大]

 JFEエンジニアリングは7日、極めて短期間で完成できる「ハイブリッド防潮堤」を開発し、岩手県山田漁港復旧工事において初めて採用されたと発表した。

 この「ハイブリッド防潮堤」は、現地で基礎鋼管杭を施工している期間に堤体ブロックを工場で製作(プレキャスト)し、鋼管杭打設後わずか数日間で連結一体化する。これにより、従来の鋼管杭打設後に現場でコンクリート施工する工法では約2年の工期を要していたが、約半分の工期で防潮堤を完成できる。また、被災地においては、設置場所における大量の資機材や人手の調達が不要となるため、他の復旧工事の進捗を妨げることがないという。

 なお、プレキャストされる堤体ブロックは鋼とコンクリートのハイブリッド構造のため、従来品と同等の強度を保ちながら壁厚を薄くでき、設置場所の自由度が高まる。加えて、輸送条件に合わせて分割すること可能。

 JFEエンジは、同製品が初採用となった岩手県山田漁港の防潮堤復旧工事において堤体ブロック製作・輸送を受注した。山田漁港では震災により防潮堤が一部流出するなど損傷しており、国の指針に基づく「粘り強い」構造の防潮堤に復旧する。同計画では、工期の半減や、資機材や人手の現地調達の大幅削減が高く評価された。

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