サムスン電子、業界初20ナノ台の4GBモバイルDRAMの量産開始

2013年5月1日 13:21

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サムスン電子は4月から業界初の20ナノ級4GB LPDDR3モバイル DRAMの量産を開始した。写真=サムスン電子

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 サムスン電子は4月30日、今年発売される高スペックモバイル機器のデータ処理能力を大幅に向上させる、業界初の20ナノ級(1ナノ:10億分の1メートル) 4GB LPDDR3(Low Power Double Data Rate3)モバイル DRAMの量産を4月から開始したと発表した。

 今回の20ナノ級モバイル DRAMは、既存のパソコンDRAMと同水準のデータ処理速度である 2,133Mbpsを実現した超高速製品だ。

 4GB LPDDR3 4個で構成された20ナノ4GB LPDDR3 モバイルDRAMは、既存の4Gb LPDDR2製品に比べて処理速度が2倍以上速く、1秒間に Full HD級の映画約3本分に相当する約17GBのデータを処理することができる。

 これは、5インチ以上の大画面スマートフォンでもFull HD級映像をリアルタイムで途切れることなく完璧に処理することができる速度であり、今年発売されるハイエンドのモバイル機器に搭載され、消費者へよりアップグレードされたモバイル環境を提供する見込み。

 同社によると、今回の20ナノ級4GB LPDDR3モバイルDRAMは、既存の30ナノ級LPDDR3製品より速度を30%上げながらも消費電力を20%も減らすとともに、世界最薄の0.8mmを実現し、スリムなモバイル機器の設計を可能にした。

 サムスン電子メモリー事業部チョン・ヨンヒョン副社長は声明で、「今回の量産で、世界の顧客へより差別化された高性能モバイルソリューションを提供できるようになった。今後も市場のトレンドをリードする次世代メモリー製品とソリューションを通じ、革新的なモバイル製品を発売していこうとする世界のクライアントに貢献するつもりだ」とコメントしている。

 サムスン電子は今後、20ナノ級モバイルDRAMの生産比重を持続的に増やして適期に発売し、世界のDRAM市場の成長を牽引してメモリー事業の競争力をさらに強化して行く計画だ。

 米国の市場調査会社ガートナーによると、2013年の世界のDRAM市場規模は前年比13%増の296億ドルと予想され、このうちモバイルDRAM市場は全体の35%に当たる100億ドルを初めて突破する見込みだ。

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