【アナリストの眼】キプロス問題次第では一時的に調整色の可能性

2013年3月24日 18:43

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>(25~29日)

■キプロス問題次第では一時的に調整色の可能性

  来週(3月25日~29日)の株式市場は、大勢としての強基調の流れに大きな変化はないが、目先的にはキプロス問題と為替動向次第となり、4月上旬に重要イベントを控えていることもあり、やや方向感に欠ける展開となりそうだ。キプロス問題次第ではリスク回避の動きで為替が円高方向に傾く可能性があり、その場合は一時的に調整色を強める可能性があるだろう。

  前週末22日の米国株式市場が上昇したことで、週初25日の株式市場は堅調なスタートになりそうだ。ただし一方では為替が1ドル=94円台、1ユーロ=122円台とやや円高水準だったため、輸出関連の主力銘柄に対しては利益確定売りが優勢になる可能性もあるだろう。

  キプロス問題に関しては不透明感を強めている。ECBは25日までにEUとの支援条件で合意しなければ、キプロスの銀行への緊急融資を停止するとしている。キプロス議会は22日、自前の財源調達策として国家資産を財源とする「団結基金」を創立する新法案、銀行の資本規制を導入する権限を政府に付与する新法案を可決したが、EUが支援条件としている銀行預金への課税については反発が強く結論を持ち越した。ユーロ圏財務相は24日に緊急会合を開いて支援策の修正案について協議する模様だ。またEUのファンロンパイ大統領は25日の日・EU首脳会談をキャンセルしてキプロス問題に対応することになった。銀行預金への課税をキプロスが受け入れるかどうかが焦点だが、不透明感は強い。

  米国の株式市場はキプロス問題に関して驚くほど楽観的なようだ。21日に暫定予算を2013会計年度末(9月末)まで延長することで議会が妥協したことも安心感に繋がっているようだ。5月に到来する連邦債務上限引き上げ問題に対しても現時点では特に警戒感が見られない。

  為替に関してはやや円高方向に傾いている。前週はキプロス問題に対する警戒感でリスク回避の動きを強め、19日~20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和継続が明らかになったことや、21日の黒田東彦・日銀新総裁の就任会見で新たなサプライズがなかったことなども円買いの動きに繋がった。22日にはキプロス問題でリスク回避の動きを強め1ドル=94円10銭台、1ユーロ=121円40銭台まで円が強含んだ。その後は解決に向けた進展期待でユーロがやや強含んで終値では1ドル=94円台半ば、1ユーロ=122円台後半だった。来週は日銀の緊急政策会合が開催されれば思惑が強まるが、4月上旬に3日~4日の日銀金融政策決定会合、4日のECB理事会、5日の米3月雇用統計など重要イベントが相次ぐこともあり、様子見ムードを強める可能性があるだろう。

  需給面では外国人投資家の大幅な買い越しが続き、3月期末のドレッシングなども期待される一方で、キプロス問題やイタリア政局問題など海外のリスク要因に加えて、テクニカル面での過熱感や高水準の信用買い残高、そして銘柄によっては3月期末配当権利落ち後の動きにも注意が必要だろう。物色面では輸出関連の主力銘柄よりも、ネット・ゲーム関連やバイオ関連など値動きの軽い銘柄や材料系の銘柄に資金がシフトする可能性もありそうだ。

  その他の注目スケジュールとしては、25日の米2月シカゴ連銀全米活動指数、バーナンキ米FRB議長の講演、26日の米1月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米2月新築一戸建て住宅販売、米2月耐久財受注、米3月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、27日のユーロ圏3月景況感・業況感指数、独4月消費者信頼感指数、米2月住宅販売保留指数、28日の米3月シカゴ地区購買部協会景気指数、米第4四半期GDP確報値、29日の日本2月全国・3月東京都区部消費者物価指数、米2月個人所得・消費支出などがあるだろう。その後は4月1日の日銀短観、3日~4日の日銀金融政策決定会合、3日~4日の英中銀金融政策委員会、4日のECB理事会、5日の米3月雇用統計などが控えている(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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