自動車用変速機メーカーのジヤトコ、メキシコ第二工場を建設 205億円を投資

2013年2月8日 12:23

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 自動車用変速機(AT・CVT)専門メーカーのジヤトコは7日、メキシコのアグアスカリエンテス州に約2億2000万ドル(205億円)を投資して年産約40万台規模の第二工場を建設し、2014年夏から生産を開始することを決定したと発表した。

 ジヤトコは2003年に初の海外生産拠点としてジヤトコメキシコ社を設立し、2005年よりCVTを生産している。メキシコでの年間生産台数は2012年には80万台まで拡大し、累計生産台数は既に380万台に達している。2013年までに生産能力を130万台まで拡大する計画を進めていたが、今回の第二工場と合わせたジヤトコメキシコでの生産能力は2016年度には年間約170万台となる予定。第二工場稼動に伴い、従業員数も現在の2200人から1000人増加し、3200人となる予定。

 第二工場はメキシコ日産の新工場と同じ敷地内に建設し、土地面積は30万平方メートル、建屋は5万1千平方メートルを予定している。立ち上がり時点で年間生産能力は約40万台、同社の最新型CVTであるJatco CVT8を生産する予定。また、同工場の一部で2016年からダイムラーからのライセンスを受けたATを生産し、日産およびインフィニティに供給する予定。

 今回の決定にあたり、ジヤトコの秦孝之社長は、「2018年までに売上高1兆円を目指すジヤトコにとってメキシコは大変重要な拠点。NAFTAで拡大する燃費のよいCVTの需要に応えるため、生産開始以来、高品質のCVTをお客様にお届けしているメキシコでの生産を更に拡大することを決定した。メキシコ政府、アグアスカリエンテス州政府からのこれまでのサポートも今回生産拡大を決定した重要な理由のひとつであり、引き続きご支援を賜りながら現地経済へ貢献していく」と語っている。

 ジヤトコは1999年に設立(1943年に創業)。2011年の生産台数年間493万台、売上高6025億円のトランスミッション専業メーカーで、グローバルなCVT市場に占める同社のシェアは55%。同社は2018年までに売上高1兆円の達成を目指しており、メキシコ、中国でのCVT生産拠点の拡充に加えて2013年にはタイのCVT工場も稼動開始予定。

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