大日本印刷と日本ユニシス、異業種提携で新事業・新サービスを創出

2013年1月16日 16:38

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 大日本印刷(DNP)と日本ユニシスは16日、2012年8月9日に発表した業務提携に基づき、新規市場拡大を実現する事業基盤を両社連携して強化すべく、4つの領域での取り組みを推進していくと発表した。

 具体的には、①両社顧客への提案力強化を目的とした「マーケティング・販売連携」、②両社の事業を推進する上でのベースとなる「サービス事業基盤の強化」、③企業とその先のお客様への対応力、スピード力を強化する「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」、④両社の成長戦略における重点テーマである「グローバル展開」を順次進めることにより、2016年度に両社で500億円の連携売上を目指す。

 両社は、「マーケティング・販売連携」に関しては、「DNPのエリア限定の電子書籍配信サービスと日本ユニシスのエリア限定の情報配信サービスの連携」、「DNPの電子書籍コンテンツ配信サービスと日本ユニシスの電子図書館システム開発・運営の連携」、「DNPのDMなどの通知物や電子帳票関連のBPO(Business Process Outsourcing)サービスと日本ユニシスの企業向け基幹系クラウドサービスの連携」、「DNPのデジタルサイネージ向けコンテンツ制作・配信サービスと日本ユニシスの災害におけるクラウド環境での情報配信サービスの連携」などを既に行っている。

 「サービス事業基盤の強化」では、両社の事業を推進するベースとなる、両社のデータセンターとクラウドを基盤とした国内最大規模の高品質なサービス網を構築し、現状の両社の顧客に限らず、幅広い顧客に対してクラウド技術を活用した最適なサービスを提供する体制を整備していく。また、統合による保守・運営業務の効率化やサーバーやデジタル機器類の共同購買によるコスト低減を進めることで競争力を強化し、新しいサービスや事業を立ち上げる際の顧客満足の最大化を図っていく。

 具体的には、DNPが建設する自社データセンターに日本ユニシスのエンタープライズクラウド基盤を導入する。また、両社の国内外11ヶ所の主要データセンターを連携させるとともに、クラウド運用、保守、コールセンターを統合する。さらに、両社の研究・開発(R&D)が連携し、両社の保有する技術を使った製品・サービスのプロトタイプを既存サービスやコンテンツと組み合わせた新サービスの創出や、市場ニーズとのマッチングを図るプロトタイピングセンターを推進する。両社連携によるシステム開発プロジェクトを支援するプロジェクトマネジメントオフィス(PMO:プロジェクトが円滑に実施されるよう支援する組織)も整備する。

 「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」に関しては、新たなサービスとして、企業とその先の顧客とのコミュニケーションや購買活動の新しい形を実現するマーケティングプラットフォームを共同で開発・展開していく。また、マーケティング以外の領域についても、スマートソサエティ領域などで市場のニーズや顧客の要望に応じて最適なプラットフォームを来年度中に開発・連携していく。

 さらに、両社は今回の業務提携を契機にグローバル展開についても共同で推進していくこととした。両社は、今後グローバルでの競争力を高めるため、日本と同等の品質を「低コスト」かつ「スピーディ」に市場に展開していくことが必要と考えており、その実現のため、ソリューション展開、プラットフォーム展開やアウトソーシングの活用、グローバル視点でのR&Dを共同で推進していく。なお、重点エリアはアジア圏から展開を開始し、順次対象エリアを拡大していく。

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