伊藤忠、英ロイズ保険組合における保険事業に参入

2013年1月7日 12:04

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 伊藤忠商事は7日、世界最大の保険市場である英国ロイズ保険組合でシンジケートを運営するアンタレス社(AMAL)と業務提携を行い、当該シンジケートから再保険引受を行うことでロイズ引受事業へ参入すると発表した。ロンドンにおける英国ロイズ保険組合での保険引受事業への参入は日本の一般事業会社としては初めての取組みとなる。

 ロイズ保険組合は、300年以上の歴史を持つ世界屈指の保険専門の市場。ロンドンを本拠地として200以上の国および地域で保険引受事業を展開。収入保険料規模は約3兆円で57社の専門保険会社が88のシンジケートを運営している。

 伊藤忠商事は、AMALとの業務提携を通じて、保険引受技術や販売ノウハウ・知見を獲得することにより、保険引受事業への本格的な参入及び事業拡大を狙う。来春以降にはAMALへの人員派遣等、順次協業関係の強化を行い、海外保険事業の共同展開を図る。また、英国ロイズ保険組合においても資本・人の多様化、およびアジア・新興国からのリスク引受割合増加を推進している背景があり、伊藤忠商事の英国ロイズ保険組合への参入はこの方針とも合致するものとなる。

 従来より伊藤忠商事の海外保険事業は、香港に本社を置くCosmosグループを通じ、アジア域と英国保険市場にて保険仲介事業を展開してきた。一方、近年は伊藤忠グループ関連リスクを再保険で引受ける自家保険会社(キャプティブ)の活用やファンド型保険事業体への参画を通じ、保険引受事業への知見を高めてきた。

 伊藤忠商事は主軸の保険仲介事業に加え、今回の案件により強化する保険引受事業との両輪でビジネスの機会を捉え、海外保険事業の拡大に取組んでいく。

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