【編集長の視点】年末のM&Aラッシュは来年の経営リストラの大激動を予兆?!

2012年12月5日 16:50

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■ニッセイはTOB価格にサヤ寄せしストップ高気配

<マーケットトーク>

  ニッセイ <6271> (東2)は、寄り付きから買い気配値を切り上げ、12月3日の終値に対して150円高の865円買い気配とストップ高、急反発している。前日4日大引け後にブラザー工業 <6448> (東1)が、同社を連結子会社化する目的で株式公開買い付け(TOB)をすると発表、同社も賛同意見を取締役会決議したことから、TOB価格1100円へサヤ寄せ思惑を強めて売り買い差し引き約340万株の買い物が集まっている。

  ニッセイへのTOBは、ミシンの国内市場の成長が鈍化する一方、中国など新興国のマーケットが伸張する環境下、ミシン針やミシン部品の製造供給を発祥として減速機、歯車で高シェアを保有するニッセイといっそう資本関係を強化、事業ポートフォリオの拡充とグローバル展開を強化することで、両社の企業価値を向上させることを目的に実施、TOB後もニッセイの上場は維持される。ブラザーの株価は、21円安の788円と続落している。

  前日4日は同社のほか、同日付け朝刊で報道済みのシャープ <6753> (東1)が、大引け後に正式に米クアルコムとの共同開発契約と第三者割当増資を発表、ソニー <6758> (東1)が、8~9月にTOBしたソネットエンタテインメント <3789> (東1)をさらに完全子会社化するための株式交換を発表した。

  さらにジェイ エフ イー ホールディングス <5411> (東1)、日立造船 <7004> (東1)、IHI <7013> (東1)の3社は、傘下造船会社合併の効力発生日を発表、東京エレクトロン <8035> (東1)も、マグネティック・ソリューションズ社(アイルランド共和国・ダブリン州)の買収完了を発表、チヨダウーテ <5387> (JQS)も、ドイツのクナウフ・グループへの第三者割当による自己株式処分の払込完了を発表するなどと続き、内-内型、外-内型、内-外型、さらにリストラ型、救済型などを含めてM&Aラッシュとなった。

  円高の長期化、欧州債務危機、中国経済の減速、米国の「財政の壁」など経営環境が大きく変動するなか、今年の企業経営は難しい舵取りを迫られたが、来年の想定される大激動を前にラッシュとなっているもので、株式市場でも目の離せない展開が続くことになりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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