ブラザー工業、ニッセイ株式に対するTOBを実施 1株1100円

2012年12月4日 19:38

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 ブラザー工業は4日、ニッセイの株式を公開買付け(TOB)により取得し、同社を連結子会社化すると発表した。

 買付け期間は12月5日から2013年1月23日まで。買付け価格は普通株式1株につき1,100円。買付け代金は約111億7,800万円となる見込み。

 ニッセイは、戦時中の昭和17年に国内では生産が難しいとされていたミシン針やミシン部品をブラザー工業に製造供給する目的で、名古屋市瑞穂区に「日本ミシン針製造株式会社」として設立された。その後、歯車及び減速機事業へとコア事業を転換し、独自の発展と成長をしている。ブラザー工業は、昭和40年にニッセイの発行済株式総数の16.67%にあたる株式を取得して以来、同社の株主として資本関係を構築してきた。

 ブラザー工業とニッセイは、工業用ミシン事業でのニッセイの創業以来の取引関係や北米における減速機事業での販売協力など、資本提携先として一定の協力関係にあったが、ニッセイを取り巻く業界環境が変化する中で、事業ポートフォリオの拡充を目指すブラザー工業がグローバル展開力強化を経営課題とするニッセイとの関係を強化することでシナジー効果を生み出せるのではないかと考え、今年8月頃から従来の提携関係をより緊密にし、両社の企業価値の向上を図ることについて具体的な協議を開始し、継続してきた。

 その結果、両社は、公開買付けを通じて一層の資本関係の強化を行うことが両社における事業基盤の更なる強化を進めることを可能とし、ニッセイ、ひいてはブラザー工業グループ全体の企業価値向上に寄与するとの結論に至り、今回公開買付けを実施することを決定した。

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