三菱商事、南米チリの火力発電事業に参画 総事業費約1100億円

2012年11月30日 13:10

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 三菱商事は30日、電力事業の拡大と長期安定的な収益基盤の確立を目指し、チリ北部の第Ⅱ州メヒジョネス郊外に建設される「コクラン石炭火力発電所」(発電容量47.2万キロワット)の持分40%を取得し、日本の総合商社としては南米で初めて発電事業に参画すると発表した。

 同事業は、在チリ電力事業会社であるAES Gener社(ヘネル社)60%、三菱商事40%でパートナーシップを組み、総事業費約1,100億円を投じて23.6万キロワットの石炭火力発電設備を2基建設するもの。2013年第1四半期に着工し、2016年第1四半期に商業運転を開始する予定。

 同発電所で生み出す電力はチリの銅鉱山等に供給することを予定しており、チリの基幹産業である鉱山事業を支える原動力となることが期待されている。なお、今回建設する石炭火力発電所は、環境設備の設置により、現地の環境規制値並びに世界銀行の環境基準を満たすよう設計されている。

 チリは、輸出収入総額の約65%を銅鉱石輸出収入が占める世界最大の銅生産国であり、今後も堅調な銅市況を背景に多くの新規銅山開発および拡張が計画されている。これら銅山やリチウム資源の開発を支える電力を確保するため、チリでは引き続き多数の新規電源が必要とされている。三菱商事は今回の案件への参画を契機に同国の電力供給の一端を担うことを目指す。

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