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【話題】発表日は失望感も、31日はさらなる追加緩和観測が相場下支え
■日銀が11兆円の追加緩和
10月30日、日銀は金融政策決定会合を開き、政策金利について無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.0%~0.1%程度に据え置くことを決定するとともに、9年半ぶりとなる2カ月連続の追加金融緩和を決定した。
追加緩和の内容としては、資産買入等の基金を80兆円程度から91兆円程度に11兆円程度増額する。増額分11兆円程度の内訳は、長期国債および国庫短期証券に各5兆円程度、CP等に0.1兆円程度、社債等に0.3兆円程度、ETFに0.5兆円程度、REITに0.01兆円程度とする。さらに、貸出増加を支援するための資金供給の枠組み創設を決定した。金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその金額を低利・長期で資金供給するもので、資金供給の総額については上限を設定せず無制限とする。
この決定を受けて、外国為替市場ではドル・円相場、ユーロ・円相場ともに円高方向に傾いた。債券先物市場では利益確定売りが優勢になり円債の上昇幅を縮小した。株式市場では先物主導で日経平均株価が前日比プラス圏からマイナス圏に急落し、結局は前日比87円36銭安の8841円98銭と、この日の安値で取引を終了した。事前報道を基にして資産買入基金10兆円程度増額という規模を織り込んだうえで、15兆円~20兆円規模になるのではという期待感もあっただけに、市場では失望感が優勢になった。
会合が異例の長時間にわたり、結果が伝わったのが14時46分と株式市場の取引終了直前だったため、この結果に対しては消化不良という見方もあるようだが、事前報道の規模に対して1兆円の上乗せでは、やはり失望感が優勢になるのはやむを得ないだろう。失望というより失笑という印象だ。10兆円規模の増額を2カ月連続で決定するよりも、一度に20兆円規模の増額を決定するほうが市場心理に対する効果は大きいという見方もあり、91兆円という資産買入基金の総額の規模よりも、市場は「日銀の政策小出しに変化なし」という印象を強めた可能性もあるだろう。
ただし株価の急落には短期筋の仕掛け的な面も考えられ、市場の反応は一時的、限定的となる可能性が高いだろう。日経平均先物は夜間取引で通常取引終値に対して上昇に転じ、欧州時間の外国為替市場では結果発表直後に比べて落ち着いた動きとなり、やや円安方向に戻す場面も見られた。さらに、日銀が物価上昇率1%が見通せるまで金融緩和を推進するとしていることや、白川方明日銀総裁、城島光力財務相、前原誠司経済財政担当相の連名で「デフレ脱却に向けた取り組み」と題する共同文書を公表し、デフレ脱却に取り組む一体感を強調したこともあり、市場には早くも、次回11月19日~20日または12月19日~20日の政策決定会合での追加緩和観測が広がり始めている。資産買入基金の増額だけでなく、期限や総枠を決めずに資産を購入する無期限・無制限型の緩和余地を残しているとして、この期待感が相場を支える可能性があるだろう。
日銀の金融緩和は、ある程度は景気を下支える効果が得られるとしても、景気刺激策としての効果はほとんど期待できないことが、市場での共通の見方になっている。昨年来の数度にわたる追加金融緩和も、為替の円安方向への転換やデフレ脱却に向けて、ほとんど効果が得られていない。今回の会合で創設を決定した新たな貸出支援策に対しても、そもそも企業の資金需要が乏しいという景気実態の中で、その効果は疑問視されている。このため金融政策だけでなく、企業の資金需要拡大や個人消費の盛り上がりに繋がるような、政治面の政策対応が求められるのは当然である。そのためにも大胆な規制緩和策や、政界再編による閉塞感の払拭など、政治面の対応を期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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