ルネサスエレクトロニクス、大株主と主力取引行から計970億円を調達

2012年9月28日 16:48

印刷

 ルネサスエレクトロニクスは、収益基盤の強化に向け、同社グループの国内にある生産拠点の再編および人的合理化施策を進めているが、同構造対策等に関する資金について、ルネサスの大株主であるNECとの保証金差入契約、日立製作所および三菱電機との融資契約、ならびにルネサスの主力取引銀行とのシンジケートローン(協調融資)契約を締結し、合計970億円の資金調達を行うと、28日発表した。

 今回調達する970億円のうち、大株主であるNEC、日立、三菱電機からの支援は495億円、また、主力取引行である三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行からのシンジケートローンによる借入金額は475億円。なお、これら支援は2012年10月1日に実行される予定。

 ルネサスは今回、構造対策等を行う資金が調達できたことにより、事業ポートフォリオを収益力あるものに変革すると共に固定費を大幅に削減し、市況の変化に柔軟に対応できる機動的な費用構造への変革を加速する。これにより、2014年度において営業利益率10%以上の達成を目指す。

 さらに、今回ルネサスは、構造対策等を行うための資金とは別に、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行をアレンジャーとして、長期安定資金の確保を目的としたシンジケートローン契約を締結したことも併せて発表。組成金額は1610億9000万円。

 なお、同契約の締結は、ルネサスが現在推進中の構造対策の推進と更なる成長を目指す上で必要となる財務基盤の安定化を図るため、短期借入金を長期借入金に借り換えることで長期的な運転資金の確保を行うことを目的としている。

関連記事