【アナリストの眼】焦点の日銀会合で一旦、材料出尽しも、基調は日本株出遅れ修正

2012年9月17日 13:43

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<相場展望>

  今週(9月18日~21日)の株式市場は、引き続き強含みの展開を想定する。18日~19日の日銀金融政策決定会合が焦点となり、一旦は材料出尽くしで乱高下の可能性もあるが、流動性相場への期待感や、9月末に向けての配当権利取りの動きも加わり、基本的には日本株の出遅れ修正で買い優勢の流れだろう。

  9月上旬から続いた一連の重要イベントを簡単に振り返ってみると、9月6日のECB(欧州中央銀行)理事会では、南欧諸国の国債を流通市場で無制限に買い取ることで大筋合意した。12日にはドイツ憲法裁判所がESM(欧州安定メカニズム)を合憲とする判断を示した。そして12日~13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、米FRB(連邦準備制度理事会)が期限や総枠を設けずにMBS(住宅ローン担保証券)を月400億ドル購入するという量的緩和策第3弾(QE3)の導入を決定した。いずれもほぼ市場の期待どおりの結果となり、世界的に株式市場と商品市場が大幅上昇した。

  こうした流れを受けて18日~19日の日銀金融政策決定会合でも、何らかの追加緩和策が打ち出されるとの期待感が高まっている。欧米株に比べて日本株の出遅れ感が強く、ユーロ不安が後退していることや、足元で為替がやや円安方向に傾いていることも支援材料で、基本的には日本株の出遅れ修正が優勢の流れだろう。

  ただし、日銀金融政策決定会合で何らかの追加緩和策が打ち出されるとしても、ECB理事会や米FOMCほどインパクトのある内容は期待薄だろう。為替がECB理事会後にユーロ高・円安、米FOMC後にドル高・円安方向に傾いていることもあり、日銀が追加緩和を見送るのではないかという観測も浮上している。さらに、主要国・地域の金融政策に関する一連の重要イベントを通過することになるため、何らかの追加緩和策が打ち出されたとしても一旦は材料出尽くし感に繋がる可能性があり、会合前後の仕掛け的な動きに注意が必要だろう。

  なお来週の主要経済指標としては、19日の米8月住宅着工件数、米8月中古住宅販売、20日の米8月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米9月フィラデルフィア地区連銀業況指数などがあるが、よほど大きなサプライズがない限り反応は限定的だろう。

  むしろ、中国での反日行動、イスラム圏での反米行動など、地政学リスクが台頭していることに注意しておきたい。特に中国に関しては、総額1兆元(約12兆4000億円)規模の景気刺激策を認可したとの報道を受けて、中国関連株に対する買い戻しに繋がっていたところだけに、ここ数日の反日行動の激化に対して、市場がどのように反応するかが注目されるだろう(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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