ホンダ、スチールとアルミを接合する技術を新開発 量産車の骨格部品に適用

2012年9月6日 12:57

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フロントサブフレーム(左)とFSW異種金属接合概念図(右)

フロントサブフレーム(左)とFSW異種金属接合概念図(右)[写真拡大]

 ホンダは6日、スチールとアルミという異種金属を連続接合する技術を新しく開発し、世界で初めて量産車の車両骨格部品であるフロントサブフレームに適用したと発表した。ホンダは、今回開発した技術を、米国で9月19日に発売する北米仕様の新型「アコード」から採用し、順次拡大していく。

 ホンダは、燃費向上を目的とした車両の軽量化を目指して、摩擦かく拌接合(Friction Stir Welding 以下、FSW)に着目し、スチールとアルミという異種金属を連続接合する技術を開発した。この接合技術は、スチールに重ねたアルミの上から加圧しながら回転ツールを移動させることにより、スチールとアルミの間に安定した金属結合を新たに生成させて接合するもの。これにより、従来のミグ溶接と同等以上の強度での接合が可能となった。

 同技術により、従来のスチール製サブフレームに対し25%の軽量化を達成して燃費向上に寄与するとともに、接合製造時の電力消費量も約50%削減することができる。さらに、同技術を用いてサブフレームとサスペンション取り付け部の構造を変更し、取り付け部の剛性を20%向上するなど、車両運動性能の向上にも貢献する。

 またFSWを行う場合、従来は大型装置を用いる手法が一般的だったが、ホンダはより汎用性の高い産業用ロボットを用いたFSW連続接合システムを開発し、量産車への適用手法を確立した。なお、このシステムはアルミとアルミの接合にも流用が可能で、フルアルミサブフレームの生産も同一仕様の接合システムで行うことができる。

 同時にホンダは、高感度赤外線カメラとレーザー光を用いた非破壊検査システムを開発し、インラインでの接合部の全数検査も可能とした。

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