住友商事、米テキサス州のタイトオイル開発に参画 約1600億円を投資

2012年8月2日 11:44

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 住友商事は2日、米国の独立系石油ガス開発会社であるデボン・エナジー社が米テキサス州パーミアン・ベースンにて進めているシェールガス・タイトオイル開発プロジェクトに参画することを決定し、デボン社と契約を締結したと発表した。

 今回のプロジェクト参画にあたり住友商事が取得する資産は、デボン社が現在保有する既存権益(リース権、生産中の原油生産井、付帯中流設備)の30パーセント相当となる。取得資産の対価である約13億6,500万ドルのうち25パーセント相当を契約発効時に支払い、残りの75パーセント相当を今後3年間を目途にデボン社の開発費用を肩代わりする形で住友商事が追加で資金拠出を行う。住友商事はこの期間に、権益取得対価および同社持分の権益開発費用をあわせ、合計約20億ドル(約1600億円)を段階的に拠出していく計画。

 住友商事はデボン社と共に共同開発地域において3つのターゲット層の開発を行い、順次掘削していく。なお、資金調達については、国際協力銀行を中心に融資の検討を要請している。

 同プロジェクトの開発エリアであるパーミアン・ベースンは、1920年代から在来型の開発が行われている地域であり、北米最大の原油の確認埋蔵量(約50億バレル)を誇り、全米の原油生産量の約2割、テキサス州全体の原油生産量の約7割を占めるエリア。特に、同プロジェクトの開発対象地域はパーミアン・ベースンの東部エリアに位置し、過去の掘削実績による豊富なデータから極めて有望な地下資源を有すると見込まれている。また現在のターゲット層は3層だが、ターゲット層以外にも炭化水素を含有した複数層の存在を確認しており、今後の開発を通してさらなる埋蔵量・生産量の積み増しが期待されている。

 住友商事は、デボン社向けにこれまで油井管を約20年間供給してきた実績があり、デボン社にとっての鋼管の最大サプライヤーとして築いてきた関係に加えて、日本企業としていち早くシェールガス開発事業に参画し、米国パートナー企業との共同開発実績を有していることなどが高く評価され、今回の合意に至った。住友商事は、同プロジェクトを今後長期にわたって住友商事の米国原油・ガス事業ひいては北米事業全体の中核を担うビジネスと位置付けて積極的に推進していく方針。

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