富士フイルム、約1200件の有機EL特許などを米社に約82億円で譲渡

2012年7月25日 10:59

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 富士フイルムと米ユニバーサル・ディスプレイ・コーポレーション(UDC)は24日、富士フイルムの保有する国内外の有機EL特許・特許出願約1,200件からなる特許ポートフォリオを、UDCに1億500万ドル(約82億円)にて譲渡する契約を締結したと発表した。

 富士フイルムは、10年以上にわたり有機EL分野での研究・開発を行ってきており、その成果として、有機EL材料および有機ELデバイスに関する有望な新規技術を開発するとともに、これら技術に関する強固な特許ポートフォリオを獲得してきた。また、UDCは、先進の技術と確固たる特許的地位を有する有機EL業界のリーダーであり、今回の特許ポートフォリオ譲受により、同社の有機EL材料供給および有機EL特許技術ライセンスビジネスを伸張させる。

 富士フイルムとUDCは、これまで両社にとって有益な戦略的関係構築を探索・協議してきており、その第一歩として今回特許ポートフォリオ譲渡に合意した。これにより、UDCは、その特許ポートフォリオを拡充するとともに、将来の新しい有機EL材料・製品開発の可能性を広げることができる。

 一方富士フイルムは、超ハイバリア性透明フィルム、透明導電性フィルム、フレキシブル基板をはじめとする、同社独自の技術を応用した高機能材料のビジネスを伸張させ、UDCの顧客を含む全世界の有機ELメーカーにこれら高機能材料を供給していく。両社は、戦略的関係をさらに発展させるべく今後も協議を継続していくという。

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