東芝、インドなど新興地域を中心に海外研究開発人員を750人増強

2012年7月10日 17:53

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 東芝は10日、中期経営計画で掲げる「トータル・ストレージ・イノベーション」と「トータル・エネルギー・イノベーション」の両分野におけるグローバル展開の加速に向け、社会インフラにおけるソフト開発や新興国市場向けの製品開発を中心に、海外での研究開発体制を強化すると発表した。2014年度までに、東芝グループ全体における設計開発も含めた研究開発人員増加数の約7割にあたる750人を海外で増強することで、グローバルレベルでの研究開発を加速する。

 「トータル・ストレージ・イノベーション」の分野では、主に社会インフラクラウド基盤などの開発加速に向け、インドの拠点をはじめとする海外研究開発人員を2014年度までに約400人程度増員し、システム・ソフトウェア分野でのグローバル化を進める。また、研究開発費については、中期経営計画における1兆800億円のうち約6割を当該分野に投入する。

 「トータル・エネルギー・イノベーション」の分野では、発電機器の開発などを中心に海外研究開発人員を2014年度までに約300人程度増員するほか、ウェスチングハウス社やランディス・ギア社などの研究開発部門とも連携を一層強化することで、グローバル研究開発体制を確立する。そのほか、基礎研究人員として約50人の増員を計画している。

 さらに、知的財産については、2014年度のグローバル出願率を現行の約5割から7割まで向上させることで、グローバルレベルでの知的財産確保を強化するとともに、ライセンス収入についても現行の1.3倍まで引き上げる計画。

 なお、「トータル・ストレージ・イノベーション」は、情報のビッグデータ化とセキュリティ確保などの課題解決に向け、東芝が持つNAND型フラッシュメモリやHDD、SSDなどのストレージデバイスをベースに、それぞれを生かしたシステムやデータセンターを構築し、クラウド基盤においてリテールやヘルスケアなどのソリューションを提供していく取り組み。

 「トータル・エネルギー・イノベーション」は、高効率で安定的な電源確保に向け、火力・原子力などの基幹電源や再生可能・新エネルギーのベストミックスをはじめ、最適な送配電を実現するスマートグリッドのほか、需要側での省エネシステムであるBEMSやHEMSなどを提供することで、持続可能な社会の実現を目指す取り組み。

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