【不動産大手・銘柄診断】住友不動産は1ケタの増収増益

2012年5月27日 11:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■1ケタの増収増益に、賃貸ビルの新規稼動が寄与

  住友不動産 <8830> は13年3月期連結業績見通しについて、売上高が前期比5%増の7200億円、営業利益が同2%増の1500億円、経常利益が同1%増の1090億円、純利益が同9%増の580億円としている。

  賃貸ビルの新規稼働、分譲マンションの販売戸数増加などで増収増益の見込みである。予想EPS(1株利益)は122円32銭、年間配当は20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

  セグメント別営業利益(連結消去前)の見通しについては、不動産賃貸事業が前期比3%増の920億円、不動産販売事業が同微増の380億円、完成工事事業が同3%増の170億円、不動産流通事業が同10%増の160億円としている。

  不動産賃貸事業では「住友不動産新宿グランドタワー」「住友不動産千代田富士見ビル」などの通期稼働、および「住友不動産渋谷ガーデンタワー」などの新規稼働が寄与する見込みだ。不動産販売事業では、東日本大震災の影響が一巡するため、マンション契約戸数は前期比466戸増加の4500戸の計画としている。

  賃貸事業の空室率の推移を見ると、連結ベースで竣工1年経過のオフィスビル空室率(12年3月期からSPCを連結対象)は08年3月期末が3.8%、09年3月期末が5.1%、10年3月期末が8.4%、11年3月期末が8.2%、12年3月期末が7.8%となった。やや改善したが、高止まりの状況だろう。

  不動産販売事業の営業利益率(連結消去前)の推移を見ると、08年3月期が22.1%、09年3月期が16.1%、10年3月期が8.9%、11年3月期が13.9%、12年3月期が19.1%となり、改善傾向を強めた。13年3月期については17.3%の計画である。

  なお、12年3月期末の有利子負債は2兆5541億円となり、11年3月期末比5325億円増加した。SPCの新規連結に伴い大幅に増加した。ネットD/Eレシオ(ネット有利子負債/自己資本)は4.3倍で同0.7ポイント上昇した。

■株価軟調、指標割安感乏しくなお下値固め

  株価の動きを見ると、3月14日の年初来高値2054円から反落し、足元では1600円近辺まで下落している。週足ベースで見ると、26週移動平均線を割り込んで軟調展開となっている。

  足元の株価水準を指標面で見ると、13年3月期会社予想ベースの連結予想PERは13倍近辺、予想配当利回りは1%台前半、12年3月期BPS(1株当たり純資産1168円11銭)ベースの実績PBRは1倍台前半の水準である。需給面では信用倍率(5月11日時点)が0.8倍台である。

  指標面での割安感が乏しいだけに、年初来安値の1300円近辺が意識される可能性もあり、当面は下値固めが必要だろう。ただし、26週移動平均線に対するマイナス乖離率は他の大手不動産株に比べて小さいだけに、信用倍率1倍割れも支援材料として、早期に26週移動平均線を回復すれば、反発の余地もありそうだ。市場全体の地合い改善も必要なだけに、再度のサプライズ追加緩和などの支援材料も欲しいところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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