【不動産大手6社を徹底検証!(2)】オフィス平均賃料は弱含みの状況

2012年5月26日 10:36

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

オフィスビル・商業施設賃貸事業に関しては、全体としてオフィス空室率が高止まり状況であり、オフィス平均賃料も弱含みの状況が続いている模様だ。

オフィスビル・商業施設賃貸事業に関しては、全体としてオフィス空室率が高止まり状況であり、オフィス平均賃料も弱含みの状況が続いている模様だ。[写真拡大]

■ビル賃貸事業はオフィス空室率が高止まり、オフィス賃貸料も弱含みの状況

  オフィスビル・商業施設賃貸事業に関しては、全体としてオフィス空室率が高止まり状況であり、オフィス平均賃料も弱含みの状況が続いている模様だ。

  三鬼商事の調べによる東京・都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)エリアのオフィス空室率(5区平均)の推移を見ると、11年1月が9.04%、2月が9.10%、3月が9.19%、4月が8.92%、5月が8.88%、6月が8.81%、7月が8.76%、8月が8.65%、9月が8.64%、10月が8.78%、11月が8.90%、12月が9.01%、12年1月が9.23%、2月が9.15%、3月が9.04%、4月が9.23%となっている。12年1月と4月の9.23%は過去最高水準である。

  直近では、06年10月から08年3月までが2%台(06年10月2.92%、11月2.90%、12月2.89%、07年1月2.87%、2月2.93%、3月2.72%、4月2.72%、5月2.71%、6月2.87%、7月2.80%、8月2.67%、9月2.59%、10月2.55%、11月2.49%、12月2.65%、08年1月2.55%、2月2.77%、3月2.89%)と低水準で推移していたが、以降はほぼ一貫して上昇傾向となり、足元では過去最高水準に上昇している。

  不動産大手各社については、都心部で好立地の優良物件を数多く保有しているため、市場平均に比べて概ね空室率は低い状況となっている。しかし、保有物件によってバラツキはあるが、全体として見ればオフィス空室率の高止まり状況、オフィス賃料の弱含み状況に大きな変化はないだろう。

  野村不動産ホールディングス <3231> のビル事業の空室率の推移を見ると、連結ベース(オフィス・商業施設合計)で09年3月期末が2.6%、10年3月期末が4.8%、11年3月期末が4.0%、12年3月期末が2.4%となった。12年3月期はやや持ち直した形である。

  三井不動産 <8801> の賃貸事業の空室率の推移を見ると、単体ベースの首都圏オフィス空室率は、07年3月期末が1.6%、08年3月期末が1.3%、09年3月期末が2.5%、10年3月期末が3.9%、11年3月期末が4.0%、12年3月期末が4.4%となった。市場平均に比べて低水準とはいえ上昇傾向である。連結ベースの全国商業施設空室率は、07年3月期末が0.5%、08年3月期末が0.3%、09年3月期末が0.8%、10年3月期末が1.1%、11年3月期末が1.3%、12年3月期末が0.4%となった。引き続き低水準を維持している。

  三菱地所 <8802> のビル事業の空室率の推移を見ると、単体ベースの全国全用途空室率は、08年3月期末が2.06%、09年3月期末が2.86%、10年3月期末が3.40%、11年3月期末が3.58%、12年3月期末が3.58%となった。丸の内のオフィス空室率は、08年3月期末が0.19%、09年3月期末が1.09%、10年3月期末が2.42%、11年3月期末が2.26%、12年3月期末が2.42%となった。いずれも高止まり状況の模様である。

  東京建物 <8804> のビル等事業の空室率の推移を見ると、単体ベースのビル事業合計は、08年12月期末が5.9%、09年12月期末が13.0%、10年12月期末が8.2%、11年12月期末が11.0%となった。12年12月期末の見通しは6.5%としている。

  東急不動産 <8815> の賃貸事業の空室率の推移を見ると、オフィスビルと商業施設の合計で、連結ベースは09年3月期末が5.1%、10年3月期末が3.9%、11年3月期末が4.1%、12年3月期末が2.3%となった。単体・SPCベースでは09年3月期末が4.6%、10年3月期末が3.0%、11年3月期末が3.7%、12年3月期末が2.0%となった。いずれも改善傾向の模様である。

  住友不動産 <8830> の賃貸事業の空室率の推移を見ると、連結ベースで竣工1年経過のオフィスビル空室率(12年3月期からSPCを連結対象)は、08年3月期末が3.8%、09年3月期末が5.1%、10年3月期末が8.4%、11年3月期末が8.2%、12年3月期末が7.8%となった。やや改善したが、引き続き高止まりの状況だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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