好業績低PERで『きっかけ待ち』の展開=犬丸正寛の相場展望

2012年5月25日 16:28

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(28日~6月1日)は、『きっかけ待ちの展開』とみられる。日米とも相場は軟調ながら、徐々に下値が底堅くなりつつある。

来週(28日~6月1日)は、『きっかけ待ちの展開』とみられる。日米とも相場は軟調ながら、徐々に下値が底堅くなりつつある。[写真拡大]

★注目は野田総理・小沢元代表の会談

  来週(28日~6月1日)は、『きっかけ待ちの展開』とみられる。日米とも相場は軟調ながら、徐々に下値が底堅くなりつつある。

  とくに、NYダウはここ数日、「下ヒゲ足」が目立つようになっている。一般に下ヒゲ足が出始めると相場は下値に届き反発が近いとみられている。一方、日経平均には下ヒゲ足は見られないものの、水準自体は昨年暮れから今年初めにかけてモミ合った8300~8500円水準に近づいている。スタート時点まで、ほぼ「往って来い」状態である。

 とくに、日経平均のPERは直近で11.02倍まで低下。今年3月後半頃のPER22~23倍に比べ、かなり低水準となっている。割安感が強まっているため、きっかけがあれば急反発が見込める状況といえる。

  海外、とくにギリシャ問題では、ユーロ諸国はギリシャにユーロへとどまるように言う一方で緊縮政策も維持するように発言する。自力でギリシャ経済が急速に上向くことも期待し難いだけに、結局は6月17日のギリシャ再選挙までは待つより仕方ない。国内で、きっかけになるとすれば野田総理と小沢元代表の直接会談だろう。膠着状態の政局に新たな展開も予想され相場に刺激となる可能性もある。

  ただ、株価水準としてはほぼ下げるところまで下げているものの、出来高面では物足りない。東証1部の出来高は18~20億株で推移、昨年暮れの出来高9~10億株と比べると多く、まだ「陰の極」とは言えない状態。この点からは、まだマーケットに諦め気分は出ていない。相場に色気が残っている状態。これは、2013年3月期決算が好調見通しから物色意欲が強いためといえる。

  好業績にもかかわらずPERは低いといういびつな形となっている。これを転換させるのは、やはり政治だろう。野田総理・小沢元代表の会談は注目される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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