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【相場展望】決算発表ピーク過ぎて収益改善基調を前向きに捉えるかも焦点
【来週(5月14日~18日)の株式市場見通し】
■自律反発の可能性だが、大勢としてはユーロ圏債務危機問題に神経質な展開で個別物色
来週(5月14日~18日)の日本株式市場については、売られ過ぎ感による自律反発の可能性が高まりそうだ。ただし大勢としては、海外の株式市場や外国為替市場の動向を睨みながら、ユーロ圏債務危機問題に神経質な展開となる可能性が高く、本格反発は期待薄だろう。
全体として好材料が見当たらないだけに、好業績・好材料銘柄の個別物色の展開が続きそうだ。ただし企業の決算発表がピークを過ぎ、概ね収益改善基調であることを前向きに捉えるかどうかも焦点だろう。
前週末11日の米国株式市場は方向感に欠ける展開だった。ダウ工業株30種平均株価は前日比34ドル44セント(0.27%)安の1万2820ドル60セントと反落した。米金融JPモルガン・チェースがデリバティブ取引で約20億ドルの評価損を出したこと受けて売り優勢でスタートした。米5月ミシガン大学消費者信頼感指数が約4年ぶりの高水準だったことを好感して前日比プラス圏に切り返したが、終盤になるとギリシャのベニゼロスPASOK党首が組閣に失敗したと伝わり再びマイナス圏に転じた。
外国為替市場では1ドル=79円90銭近辺、1ユーロ=103円20銭~30銭近辺で取引を終了した。
全体として外部環境に大きな変化がなく方向感に欠ける展開だったため、週初14日の日本株式市場も前週末終値近辺で小動きスタートとなりそうだ。
その後は、ギリシャの連立協議不調と6月再選挙の可能性、ギリシャのユーロ圏離脱懸念、スペインの国内銀行改革への反応、スペインやイタリアの国債利回り動向、15日の独メルケル首相と仏オランド新大統領の会談、米金融大手JPモルガン・チェースの巨額損失発生に伴う銀行規制強化への懸念、主要国・地域の主要経済指標など波乱要因も多いだけに、海外の株式市場や外国為替市場の動向などを睨みながらの展開だろう。
全体としてユーロ圏債務危機問題の再燃に対する警戒感が強い状況であり、好業績・好材料銘柄の個別物色中心の展開となりそうだ。イランや北朝鮮関連の地政学リスクに対しても引き続き注意は怠れない。
ただしテクニカル面で見れば、東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)が11日時点で66.5%に低下しており、調整一巡感が台頭しても不思議ではないだろう。企業の決算発表がピークを過ぎ、概ね収益改善基調であることも確認できているため、一旦は自律反発の可能性もありそうだ。
世界の主要国・地域の前週の動向を整理してみよう。
米国の主要経済指標では、10日の米週間新規失業保険申請件数が36.7万件となり、前週改定値の36.8万件(36.5万件から上方修正)に比べて0.1万件減少して市場予想とほぼ同水準だった。米3月貿易収支は518億ドルの赤字となり、2月改定値の454億ドルの赤字(460億ドルの赤字から上方修正)に比べて赤字幅が拡大した。11日の米4月卸売物価指数は前月比0.2%低下となり市場予想を下回った。エネルギー価格下落が全体を押し下げた。食品・エネルギー除くコア指数は同0.2%上昇となり市場予想と同水準だった。米5月ミシガン大学消費者信頼感指数は77.8となり、4月確報値の76.4に比べて市場予想以上に上昇した。約4年ぶりの高水準だった。
ユーロ圏に関しては、ギリシャ総選挙後の連立交渉が難航し、1週間を通して政局不透明感やユーロ圏離脱懸念が強まった。9日にはスペインの大手銀行バンキアが不良債権処理のために一部国有化されることを受けて、スペイン国債利回りが6%台に上昇したため警戒感を強める場面があった。ただしEFSF(欧州金融安定基金)がギリシャ向け42億ユーロ融資を10日に予定どおり実行すると発表したことを受けて警戒感がやや和らいだ。
中国に関しては、10日の中国4月貿易収支が2カ月連続の黒字だったが、輸出が前年同月比4.9%増加、輸入が同0.3%増加となり、欧州向けの不振でいずれも市場予想を下回ったことが弱材料視された。11日の中国4月CPI(消費者物価指数)は前年同月比3.4%上昇となり、市場予想とほぼ同水準だったため反応は限定的だった。4月鉱工業生産は前年同月比9.3%増加、4月小売売上高は前年同月比14.1%増加となり、いずれも市場予想を下回ったため景気減速に対する警戒感を強めた。
日本に関しては、10日発表の3月国際収支が1兆5894億円の黒字となり、4月上中旬の貿易収支が7980億円の赤字となったが、いずれも反応は限定的だった。
外国為替市場は1週間を通して概ね小動きだったが、ユーロ・円相場が円高方向に傾き1ユーロ=102円70銭近辺に円が上昇する場面があった。大勢としては円買いが優勢になった流れが継続した。ユーロ圏債務危機問題の再燃に対する警戒感を強めたこともリスク回避の円買いにつながった。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では14日の4月企業物価指数、4月工作機械受注速報値、15日の3月鉱工業生産確報値、4月消費動向調査、5月ESPフォーキャスト調査、16日の3月第3次産業活動指数、3月機械受注、17日の1~3月GDP1次速報値、4月首都圏マンション発売戸数などがあるだろう。
海外では14日の仏3月経常収支、ユーロ圏3月鉱工業生産、ユーロ圏財務相会合、イタリア国債入札、15日の豪中銀理事会議事録、英3月貿易収支、独第1四半期GDP速報値、ユーロ圏第1四半期GDP速報値、EU財務相理事会、独メルケル首相と仏オランド新大統領の会談、米3月企業在庫、米4月小売売上高、米4月消費者物価指数、米5月ニューヨーク州製造業業況指数、米5月住宅建設業者指数、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、16日の英4月失業率、ユーロ圏3月貿易収支、ユーロ圏4月消費者物価指数改定値、英中銀インフレ報告、ECB理事会(金利発表なし)、米4月住宅着工件数、米4月鉱工業生産、米住宅ローン・借り換え申請指数、米FOMC議事録(4月24日~25日分)発表、17日のスペイン第1四半期GDP改定値、スペイン国債入札、米4月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米5月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、18日の中国4月新築住宅価格、独4月生産者物価指数、そして18日~19日のG8首脳会議などがあるだろう。
その後の注目イベントとしては、5月22日~23日の日銀金融政策決定会合、23日の日本4月貿易統計、ユーロ圏3月経常収支、EU首脳会議、24日の独5月IFO業況指数、ユーロ圏5月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、25日の独6月消費者信頼感指数、29日の米5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、30日のユーロ圏5月景況感・業況感指数、31日のユーロ圏5月消費者物価指数速報値、米第1四半期GDP改定値、6月1日の米5月雇用統計などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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