JFE、半導体事業子会社の川崎マイクロをメガチップスに約85億円で売却

2012年4月23日 09:38

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 JFEホールディングスは20日、傘下の事業会社である川崎マイクロエレクトロニクスの全株式を株式会社メガチップスに譲渡することについて基本合意書を締結することを決議したと発表した。

 2012年5月下旬(予定)を目処に、JFEホールディングスはメガチップスと株式売買契約書を締結し、川崎マイクロが発行する全部の株式をメガチップスに譲渡する。これにより、川崎マイクロはメガチップスの完全子会社となる。譲渡価格は約85億円の予定。

 川崎マイクロは、液晶パネル・通信機器・事務機器等の分野を中心にASIC(特定用途向け集積回路)の設計、製造および販売を行っており、ファブレスLSIメーカーとして継続して収益を上げる事業体制を確立してきた。しかし、川崎マイクロが将来にわたり技術的な競争力を強化し、事業の成長を図っていくためには、他社との戦略提携を通じて事業を拡大し、安定した収益基盤を確立することが不可欠だという。このような認識のもと、川崎マイクロはメガチップスとの戦略提携の可能性について検討を行ってきた。

 一方、メガチップスは研究開発型ファブレスLSIメーカーとして、エレクトロニクス業界における上流のアプリケーションやアルゴリズム、アーキテクチャ分野での高い技術力をもとに、LSIやシステム製品の設計開発および販売を行っている。川崎マイクロと同様に、顧客志向のASICを核とした事業を展開しており、技術および市場ともに川崎マイクロと相互補完的な関係にある。

 今回、川崎マイクロとメガチップスの両社が同じグループになることで、激しい変化に迅速に対応しながら、研究開発・設計から製造、組立、テスト工程まで一貫した技術力と開発体制を一層強化することが可能となり、国内外における顧客の要求にきめ細かく応えるベスト・ソリューションを提供するなど、戦略的事業展開の更なる強化と収益基盤の強化を図れるものと考えているという。

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