ソニー、「デジタルイメージング・ゲーム・モバイル」3つのコア事業を強化

2012年4月12日 18:24

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 ソニーは12日、2012年4月1日付で発足した新経営体制の下での経営方針を発表した。迅速な意思決定によるソニーグループ一体となった経営「One Sony」のもとで、既に安定した事業基盤を有するエンタテインメント事業及び金融事業をさらに成長させると共に、エレクトロニクス事業を再生、そして成長へと転換し、新たな価値創造の実現を目指す。

 ソニーは、変革のためのエレクトロニクス重点施策として、「コア事業の強化(デジタルイメージング・ゲーム・モバイル)」、「テレビ事業の再建」、「新興国での事業の拡大」、「新規事業の創出/イノベーションの加速」、「事業ポートフォリオの見直し/経営のさらなる健全化」を掲げ、これらの重点施策を着実に実施することで、2014年度にエレクトロニクス事業では売上高6兆円、営業利益率5%、ソニーグループ全体では売上高8兆5,000億円、営業利益率5%以上、ROE(株主資本利益率)10%を目指すとしている。

 「コア事業の強化」に関しては、デジタルイメージング、ゲーム、モバイルの3つの事業領域をエレクトロニクス事業における重点事業領域と位置づけ、投資及び技術開発を集中する。この3つの事業領域を重点的に成長させ、2014年度にはエレクトロニクス事業全体の売上高の約70%、営業利益の約85%を創出することを目指す。

 デジタルイメージング事業では、ソニーが得意とするイメージセンサー、信号処理技術、レンズなどの独自技術の開発を一層強化し、これらを基にした民生用機器(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、レンズ交換式デジタル一眼カメラなど)、放送・業務用機器(放送局向けカメラ、セキュリティカメラなど)の商品力強化と差異化を実現していく。

 また、これらの要となる技術をセキュリティやメディカルなど幅広いアプリケーションに活用することで、デジタルイメージング事業の領域を広げていく。民生用機器、放送・業務用機器、イメージセンサーを併せて、2014年度に売上高1兆5,000億円、二桁の営業利益率を目指す。

 ゲーム事業では、「プレイステーション3」、「PlayStation Vita」を中心に圧倒的なエンタテインメント体験を提供するハードウェア及びソフトウェア群と「PlayStation Network」、周辺機器ビジネスの広がりを柱に、売上高及び営業利益の拡大を目指す。「PlayStation Network」関連では、ゲームタイトルのダウンロード販売の拡大、定額課金サービスの強化、PlayStation Suite対応端末及び対応コンテンツの拡大を行っていく。ゲーム事業では2014年度に売上高1兆円、営業利益率8%を目指す。

 モバイル事業では、100%子会社化が完了したソニーモバイルコミュニケーションズが担うスマートフォン事業と、「Sony Tablet(ソニータブレット)」及びパーソナルコンピューター「VAIO」などの事業を、技術開発、設計、販売・マーケティングなどの面で融合させ、魅力的な商品を迅速に開発し、市場投入していく。

 また、デジタルイメージングやゲームに代表されるソニーの幅広い技術、映画・音楽・ゲームなどのコンテンツ、ネットワークサービスプラットフォーム「Sony Entertainment Network」、そしてこれまでの携帯電話事業で培った通信技術やビジネスノウハウを積極的に活用することで、新しいモバイル商品の市場投入や新しいビジネスモデルの構築を推進していく。さらに、モバイル商品群のオペレーション統合による効率化や最適化も追求する。これらを通じて、モバイル事業全体で2014年度に売上高1兆8,000億円、収益性の大幅な改善を目指す。

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