日立、リトアニアの新規原発建設で合意

2012年4月2日 10:27

印刷

 日立製作所は30日、リトアニア共和国が計画するビサギナス原子力発電所建設プロジェクトに関して、リトアニアエネルギー省と事業権付与契約に関して合意したと発表した。なお、今回の契約は、今年3月から開催しているリトアニア国会での承認を経て正式に締結される。

 リトアニアは、同国北東部のビサギナスで新規原子力発電所の建設を計画しており、2021年の運転開始をめざしている。2008年には、同プロジェクトに対する出資に関する交渉を行い、同プロジェクトを推進するためのプロジェクト会社ビサギノ・アトミネ・エレクトリネ(Visagino Atomine Elektrine/以下、VAE)を設立し、2009年にはリトアニア国会がビサギナスでの原子力発電所建設を認める法案を採択している。

 日立および日立GEニュークリア・エナジーは、 リトアニア政府に対して、第三世代原子炉として世界で唯一運転実績のある改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor)を提案。日立は、2011年7月にストラテジック・インベスターとして選ばれ、2011年12月には事業権付与契約の主要条件(タームシート)の仮調印を行っている。

 そして今回日立は、リトアニアエネルギー省と事業権付与契約に合意し、リトアニア政府への承認申請の手続きをすることになった。同契約がリトアニア国会で承認後、日立やVAE、周辺諸国などが出資し、設立するプロジェクト会社に発電所建設における事業権が付与される。同プロジェクト会社は、EPC(設計・調達・建設)などについて、2012年夏頃を目処に最終契約の締結を目指す。

関連記事