日産、ジュネーブモーターショーで次世代クロスオーバーコンセプトを初公開

2012年3月6日 18:20

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「ハイクロスコンセプト」(画像:日産自動車)

「ハイクロスコンセプト」(画像:日産自動車)[写真拡大]

 日産自動車は6日、2012年ジュネーブモーターショー(3月8日~18日)にて、同社の新たなデザインの方向性を示す次世代クロスオーバーのコンセプトカーを、世界で初めて公開すると発表した。

 「ハイクロスコンセプト」と名付けられたコンセプトカーは、「ジューク」、「キャシュカイ/デュアリス」、「ムラーノ」という現在のクロスオーバーラインアップを拡充することで、日産の同市場におけるリーダーシップを発展させることを目的としている。日本で作り出された「ハイクロスコンセプト」は、コンパクトながら驚くほど広く、エレガントなデザインでありながら機能的な役割を持っており、日産ブランドを体現したスマートなクルマとなっている。

 「ハイクロスコンセプト」の『スマートさ』には2種類ある。そのひとつは、エレガントな外観に関わらず、3列シート7人乗りという非常に効率の良い室内空間を確保していること。そして、もうひとつはハイブリッドエンジン。日産が開発したコンパクトなリチウムイオンバッテリーを搭載したモーターと、2.0リッターの直噴ガソリンエンジンを組み合わせることで、2.5リッター相当のパフォーマンスを実現しながら、燃費と排出ガスはよりコンパクトな車両と同等レベルに抑えている。

 日産の副社長であるアンディ・パーマー氏は、「日産は、『ムラーノ』でクロスオーバーセグメントを創り出し、『キャシュカイ/デュアリス』や『ジューク』でこのセグメントを拡大してきた。『ハイクロスコンセプト』は、日産が現在の栄光に満足することなく、新たなアイデアを探求することでクロスオーバーにおけるリーダーシップをさらに強固なものとする表れである」と述べている。

 「ハイクロスコンセプト」のハイブリッドパワートレインは、前輪駆動車のために開発された新しい技術を4輪駆動用に変更したもの。この新しいシステムでは、手頃な価格とパッケージングを実現するために、革新的な手法を取り入れ、新世代エクストロニックCVT(無段変速機)と組み合わせた1モーター2クラッチ方式を採用している。この新世代エクストロニックCVTは、従来のCVTと比べると10%の燃費改善を実現している。シャフト径の小さいプーリーと新しいベルトを使うことで、可能な限り変速比の幅を大きくし、さらなる効率化を目指している。

 同ハイブリッドパワートレインは、世界中で数々の賞を受賞した「日産リーフ」用に開発されたバッテリー技術を広く活用している。高出力かつ、短時間で充電可能なコンパクトなリチウムイオンバッテリーに、高いモーターコントロール技術を組み合わせ、必要なときに加速をサポートし、ガソリンエンジンの小型化とともに、最適な燃費と排出ガス性能を実現する。

 都市部での運転では、電気モーターとリチウムイオンバッテリーのおかげで、エンジン使用の頻度を最小限にすることが可能。また、減速時にはエネルギーを効率的に回生することができる。

 ホイールベースは2,780mmとなり、全長4,660mm、全幅1,850mm、全高は1,670mmとなっている。エクステリアは、日産のデザインアイデンティティに、新しい要素を組み合わせたものになっており、21インチの合金ホイールが特徴となっている。フロントは、スタイリッシュな新型ヘッドライトにより、特徴的なV字型グリルデザインとなっている。

 新しいデザインアイデンティティは、特に、エンジンフードからDピラーへと通じる際立ったキャラクターラインに表れている。リアは、スタイリッシュなリアコンビネーションランプによってフロントデザインと同様に特徴的なデザインとなっている。また、7人乗りのコックピットの内部は、新しいT字型のダッシュボードが特徴的。

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