【話題】300円挟んでモミ合う東京電力、「師走相場」でひと稼ぎ狙いか

2011年11月14日 18:16

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  東京電力 <9501> の株価が、去る、10月25日以降、300円を挟んだモミ合いが続いている。徐々に動きが煮詰まってきており、「上に放れるか、下に放れるか」、マーケットのチャート派の間で注目となっている。

  移動平均線との関係では、10月20日に「30日線」を上抜いて以降、30日線を一度も割ることなく推移。30日線との関係では強いといえる。

  一方、注目の取組では、減少傾向だった「信用売残」(空売り)は、最近はやや増える傾向にある。とくに、10月5日に200円まで急落した時に空売りが増えた。株価が200円を割らなかったことで、短期的には売方がやや苦しい状況といえるだろう。これに対し、信用買残は現在、今年になって最高水準にあり、なおジリジリと増えている。これは、マーケットに手詰まり感があるため、他に手がける銘柄がないことがある。しかも、これから師走相場を迎えることから取組を支えとした同社株にとっては、動きやすい地合いということがあるようだ。

  業績との関係では評価できるものではない。今3月期は営業赤字3050億円、最終赤字6000億円の大不振。もちろん、無配。常識的にみれば100円以下の株価だろう。ただ、第四半期(4~9月)決算を発表した11月4日以降、株価は下値抵抗をみせているため、超短期的には業績の悪いことは織り込んでいるということのようだ。

  「普通は、これだけの大赤字なら会社存続の危険がつきまとうもの。本来は、300円といった株価を維持することは難しい。政治的な判断が働いているためだろう」(中堅証券)。

  結局、潰れるという心配がなさそうな中で、他に手がける銘柄がないため「思惑銘柄」として、師走相場でひと稼ぎ狙いといった動きのようである。果たして、どちらに放れるか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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